上司の攻撃で持病が悪化……「出社困難」を会社に伝える通知書の重要性






上司の攻撃で持病が悪化……
「出社困難」を会社に伝える通知書の重要性

はじめに

「朝、上司の顔を思い浮かべるだけで動悸が止まらない」「職場の電話が鳴る音に過剰に反応してしまう」「病気のことを伝えているのに、上司はそれを『甘え』だと攻撃してくる」

今、この記事を読んでいるあなたは、精神的な持病を抱えながら、本来守ってくれるべき立場の上司から、心ない言葉や不当な扱いにさらされているのではないでしょうか。絶望感の中で「自分が弱いからだ」「もっと頑張らなければ」と自分を責めていませんか。

断言します。あなたが会社に行けないのは、あなたの「甘え」や「根性」の問題ではありません。職場という環境、そして上司の不当な攻撃が、あなたの心身を壊しているという「事実」があるだけです。

精神疾患を抱える労働者にとって、環境は薬と同じくらい重要です。その環境を汚染するハラスメントに対し、一人で耐え続ける必要はありません。この記事では、会社に対して上司のハラスメントを厳重に訴え、あなた自身の生活と健康を守り抜くための最強の手段である「通知書」の重要性と、その法的な仕組み、具体的な活用方法について徹底的に解説します。

1. 「出社困難」の通知書が持つ絶大な法的インパクト

会社という組織は、往々にして「現場の人間関係の悩み」を軽視しがちです。しかし、それが「通知書」という公式な書面になった瞬間、会社側の態度は一変します。なぜなら、書面には「証拠」としての重みがあり、無視することは会社にとって多大なリスクを伴うからです。

会社が通知書を無視できない法的な理由

労働契約法第5条には、「安全配慮義務」が定められています。これは、会社が社員に対して、生命や身体の安全を確保しつつ働けるように必要な配慮をする義務です。

精神疾患があることを会社が把握している場合、この義務はより重くなります。上司によるハラスメントを知りながら放置することは、明白な安全配慮義務違反であり、会社は将来的に損害賠償責任を問われることになります。通知書を出すことは、この義務を会社に強制的に「再認識」させる効果があります。

通知書が果たす3つの決定的な役割

  1. 「知らなかった」という言い逃れを封じる
    現場の人間関係が悪化していても、人事部や経営層は「現場から報告が上がっていないので知らなかった」と逃げることがあります。内容証明郵便などで通知書を送付すれば、会社全体として「ハラスメントと健康被害の事実」を知ったことが公的に記録されます。
  2. 事態の緊急性を経営層に突きつける
    「出社困難」という言葉は、単なる欠勤とは異なります。現場の調整では解決不可能な、危機的状況であることを宣言するものです。これにより、人事部やコンプライアンス部門が強制的に介入せざるを得ない状況を作り出します。
  3. 法的責任の所在を明確にする
    通知書を送ることで、「これ以上無理をさせて症状が悪化した場合、全ての責任は会社にある」という無言のプレッシャーを与えます。企業にとって、社員のメンタル不調による労働災害(パワハラ労災)は、社会的信用の失墜と高額な賠償金に直結するため、非常に強力な抑止力となります。

2. 精神疾患がある場合の「合理的配慮」と法的権利

2024年4月から、事業者に対する「合理的配慮の提供」が義務化されました(障害者差別解消法)。これは精神障害がある場合も同様です。通知書において、この権利を正当に行使することが、あなたを守る大きな鍵となります。

診断書とのセット運用が必須である理由

通知書を送る際、最も強力な武器になるのが「主治医の診断書」です。

「上司の不適切な言動によって病状が悪化した」「現在、当該上司との接触を伴う業務は医学的に困難である」といった具体的な所見を盛り込んだ診断書を添えることで、会社はそれを「個人の性格やわがまま」として片付けることができなくなります。医師の判断は、法的にも極めて高い証拠価値を持ちます。

具体的な環境調整の要求

通知書の中では、単に「辛い」と訴えるだけでなく、何を求めているのかを具体的に記載します。

  • 配置転換(部署異動): 加害者である上司との物理的・組織的な接触を完全に断つこと。
  • 在宅勤務(テレワーク)への切り替え: 職場環境が引き金になる場合、自宅での就業を認めるよう求めること。
  • 業務量の調整: 病状に配慮し、回復するまでの期間、過度な負荷をかけないこと。

これらはわがままではなく、法に基づいた「合理的配慮」の要求です。会社がこれを不当に拒否し、さらなる強要を行うことは違法性が高くなります。

3. 専門家(弁護士・行政書士)を介することの真のメリット

心が折れそうな時、自分一人で会社と対峙するのは、戦場に丸腰で飛び込むようなものです。専門家を味方につけることは、単なる事務代行ではなく、あなたの「心の防波堤」を築く作業です。

上司との接触を完全に遮断できる

ハラスメント被害者の最大の恐怖は、会社と交渉する過程で、また上司から攻撃されるのではないかという点です。専門家を窓口に立てることで、「今後は全て代理人(または専門家)を通じて連絡してください」と通知できます。これにより、あなたは上司の電話やメールに怯える生活から、その瞬間に解放されます。

「本気度」が伝わり、会社が迅速に動く

個人が書いた手紙は、悲しいことに「感情的な訴え」として軽視されることがあります。しかし、行政書士や弁護士の記名と職印が入った通知書が届くと、会社の役員や法務担当者は「これは裁判や労働局への通報まで想定された案件だ」と即座に理解します。会社は、最優先事項としてあなたの環境改善に取り組み始めるのです。

感情を「法的な事実」に翻訳する

「あの上司がひどいことを言うんです」という叫びを、専門家は「安全配慮義務違反の疑い」や「パワーハラスメントの要件を満たす事実」へと翻訳して書面に落とし込みます。これにより、感情論でかわそうとする会社側の逃げ道を塞ぎます。

4. 通知書送付にかかる費用感の目安

まずは「書面による通知」から始めるのが、もっともコストパフォーマンスが良く、現実的な選択です。

項目 費用の目安 内容
初回相談料 0円 〜 5,000円程度 30分〜1時間のヒアリング。最近は初回無料の事務所も多いです。
通知書作成(行政書士) 10,000円 〜 30,000円 書類作成のプロとして、法的に隙のない書面を作成し送付します。
通知書作成(弁護士名義) 30,000円 〜 50,000円 弁護士名での通知。威圧効果が非常に高いです。
代理交渉(弁護士) 100,000円 〜 会社との話し合いに直接立ち会う場合。着手金が必要です。

多くの場合、行政書士や弁護士名義の通知書を一通送るだけで、会社側が折れて配置転換や休職を認めるケースが大半です。長期の紛争になる前に、一通の書面で決着をつけることが、結果として最も安上がりになることも多いのです。

5. 会社が内容証明郵便を受け取った後の展開

通知書が会社に届いた後、一般的には以下のような流れになります。

  1. 社内調査の開始: 人事部やコンプライアンス部門が、上司への聞き取りや同僚へのヒアリングを開始します。
  2. 面談の打診: 会社からあなたに対して、今後の働き方についての面談を求められます。
  3. 具体的な解決案の提示: 「異動を認める」「休職を提案する」「上司を指導する」などの案が提示されます。

通知書を出したことで、あなたは「被害者」としてではなく、「正当な権利を持つ労働者」として対等に話し合えるようになります。

6. まとめと、あなたが今すぐ取るべき3つのステップ

上司は自分で選ぶことができません。そして、世の中には他人の持病を攻撃の材料にするような、信じられない人間が存在するのも悲しい事実です。

しかし、あなたは自分を守る方法を選ぶことができます。会社に求めるべきなのは、上司への復讐ではなく、あなたが「安全に、これ以上病気を悪化させずに、人間として尊厳を持って働ける環境」です。

今すぐ始めてほしい「自衛のステップ」

1攻撃と症状の「記録」を徹底する
上司に言われた暴言、無視された状況、メールの文面を、日時と共にメモしてください。「〇月〇日、上司Aに『病気は甘えだ』と言われ、直後にパニック発作で1時間動けなくなった」といった記述は最強の証拠になります。

2主治医へありのままを相談する
診察の際、「上司とのトラブルで出社が怖くなり、症状が悪化している」と伝え、「就業環境の改善(上司との接触遮断)が必要」という趣旨の診断書を書いてもらいましょう。

3専門家へ「通知書作成」の依頼を検討する
自分の声が会社に届かないと感じるなら、プロの声を借りましょう。行政書士や弁護士に相談し、診断書を添えて、会社に対し「就業環境の改善」を求める通知書を内容証明郵便で送ります。

あなたは、今日まで十分に耐えてきました。これ以上、一人で戦い、傷つく必要はありません。法という「盾」を使い、専門家という「味方」をつけ、まずはあなたの心と体の安全を最優先に確保してください。

会社という組織は、あなたが壊れてしまっても代わりを探せますが、あなたの人生の代わりはどこにもいません。今、この瞬間から、自分を守るための第一歩を踏み出しましょう。

ひとりで悩まず、まずは専門家にご相談ください。
あなたの権利と心を守るお手伝いをいたします。

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