2026年1月施行:改正行政書士法による補助金申請のルール変更
Contents
- 1 行政書士法改正で変わる補助金申請の新常識
- 1.1 はじめに:なぜ今、ルールが厳しくなったのか
- 1.2 なぜコンカフェ(※ビジネスの場)でトラブルが起きやすいのか
- 1.3 最も大きな変更点:どんな名前のお金でも「もらえば違反」
- 1.4 ルールが強まり「会社も罰せられる」ようになりました
- 1.5 補助金の書類は「プロに頼む」か「自分で作る」かの二択へ
- 1.6 なぜ資格のない人に頼むと「危ない」のか
- 1.7 良い相談相手と、危ない業者の見分け方
- 1.8 被害を受けたあとの「心のケア」を忘れずに
- 1.9 応援する側が知っておくべき「推し活(※仕事の頼み方)」のマナー
- 1.10 もし「怖い」と感じた時にすぐ取るべき行動
- 1.11 2026年の最新対策:最新の確認方法
- 1.12 おわりに:正しいルールを知ることが、一番の近道
行政書士法改正で変わる補助金申請の新常識
2026年1月スタート・新しい法律で変わる「失敗しない頼み方」
はじめに:なぜ今、ルールが厳しくなったのか
2026年(令和8年)1月1日から、私たちの仕事に関わる大切なルールが新しくなりました。それは「行政書士法(ぎょうせいしょしほう)」という法律の大きな変更です。
これを聞いて、「うちは行政書士じゃないから関係ない」「役所の書類なんて誰に作ってもらってもいいだろう」と思っていると、知らないうちにトラブルに巻き込まれてしまうかもしれません。
最近は「補助金のお手伝いをします」「経営のアドバイスをします」という会社がたくさんあります。しかし、今回のルール変更で、こうした会社が「ついでに」書類を作ってお金をもらうことが、これまで以上に厳しく、ダメなことだとはっきり決められました。
もし、知らずに資格のない会社に書類作りを丸投げしてしまうと、せっかくの申請が無効になったり、お金を返せと言われたりする危険もあります。2026年から何が「ダメ」になったのか、私たちはどう動けばいいのかを、分かりやすい言葉で丁寧に解説します。
なぜコンカフェ(※ビジネスの場)でトラブルが起きやすいのか
これまでは、「経営のアドバイス料です」という名目の中に、書類を作る手間賃をこっそり含めて、資格のない業者が書類を代わりに作ってしまうケースが後を絶ちませんでした。
「これはアドバイスの一部だから、資格がなくても大丈夫ですよ」
そんな言葉を信じていた経営者の方も多かったはずです。しかし、今回のルール変更では、こうした「ごまかし」が一切通用しなくなりました。
最も大きな変更点:どんな名前のお金でも「もらえば違反」
今回の変更で最も厳しいのが、「どんな名目であっても、お金をもらって書類を作ってはいけない」という点です。
これまでは、「これは書類作成代ではなく、事務作業の手数料です」といった言い訳が通用することもありました。しかし、2026年からは、お金の名目が何であれ、結果としてお金が発生していれば、資格のない人が書類を作ることはすべて「法律違反」であるとはっきり示されました。
処罰の対象になる具体的なケース
- 経営のアドバイスをする人が、補助金の申請書の中身を代わりに書き、そのお礼としてお金をもらう。
- 外国人の採用をお手伝いする会社が、入国に関する書類を作り、手数料をもらう。
- パソコンや機械を売る会社が、補助金を使って買ってもらうために申請を代行し、その分を商品の代金に上乗せする。
これらはすべて、行政書士の資格がない人がやると「法律違反」になります。
ルールが強まり「会社も罰せられる」ようになりました
今回の変更では、ルールを破った時の罰もとても重くなりました。特に怖いのが「会社も一緒に罰せられる」という新しい仕組みです。
これまでは、もし資格のない会社の社員が勝手に書類を作っていたとしても、「その社員が個人でやったこと」として、会社は逃げられることがありました。しかし、これからはその社員だけでなく、その人を雇っている「会社そのもの」にも重い罰金が科せられます。
そうなると、コンサル会社側も「うちは資格がないので書類は作れません」と言わざるを得なくなりますし、頼む側の私たちも「この会社、ちゃんと資格を持っているのかな?」と確認しないと、トラブルに巻き込まれることになります。
補助金の書類は「プロに頼む」か「自分で作る」かの二択へ
今回のルール変更で、補助金の申請のやり方はガラリと変わります。グレーなやり方がなくなり、道は2つだけになりました。
道その1:完全に自分の会社で、自分たちで作る
自分の会社の書類を、社長さんや社員さんが作るのは自由です。これはお金のやり取りがない「自分の仕事」だからです。詳しい人から「書き方のアドバイス」をもらうのはOKですが、実際に文字を打って文章を完成させるのは、自分たちでやらなければなりません。
道その2:行政書士に頼む
「忙しくて自分では作れない」「プロに任せて安心したい」という場合は、国家資格を持つ行政書士に頼みます。行政書士なら、法律に基づいて責任を持って書類を仕上げてくれます。
今後は「コンサル契約をしているから、書類も書いてもらえるのが当たり前」という考えは、とても危険です。
なぜ資格のない人に頼むと「危ない」のか
「バレなければいいじゃないか」と思うかもしれませんが、資格のない業者に頼むことには、あなたの会社にとって大きなリスクがあります。
1. 補助金が「取り消し」になる
役所や補助金の窓口は、資格のない業者が関わっていないか、以前よりも厳しくチェックしています。もし無資格の人が作ったとバレたら、せっかく通った補助金を全額返せと言われたり、今後数年間は申請ができなくなったりする厳しいペナルティを受けるかもしれません。
2. 責任をとってくれない
行政書士は、もし書類に間違いがあって問題が起きた場合、法律上の責任を負います。しかし、資格のない業者は、そもそも「やってはいけないこと」をしている人たちです。何かトラブルが起きた瞬間に連絡がつかなくなったり、逃げられたりするケースがとても多いのです。
3. 大切な情報を守ってくれない
行政書士には、仕事で知った秘密を絶対に外に漏らしてはいけないという、法律で決められた厳しいルールがあります。売上や個人情報など、大切なデータを預ける相手として、信頼できないのは明らかです。
良い相談相手と、危ない業者の見分け方
2026年からは、しっかりしたアドバイザーほど、自分たちの役割をはっきり分けて考えるようになっています。
- 良い相談相手:「私たちは経営のアドバイスはしますが、書類を作ることは法律で禁止されているのでできません。自分たちで書くお手伝いをするか、信頼できる行政書士を紹介しますね」とはっきり言います。
- 危ない業者:「契約の中に含まれているから大丈夫ですよ」「みんなやっていることですから、気にしないでください」と、ルールを無視したことを言います。
被害を受けたあとの「心のケア」を忘れずに
万が一、無資格業者に頼んでしまいトラブルになった場合、経営者の方は「自分の判断ミスだ」と強く自分を責めてしまうことがあります。しかし、巧妙に法律の穴を突いて営業してくる業者も多いため、一人で抱え込まず、早めに弁護士や正しい資格を持つ行政書士、または公的な相談窓口を頼ってください。被害を最小限に抑えることが、会社を守る第一歩です。
応援する側が知っておくべき「推し活(※仕事の頼み方)」のマナー
補助金や助成金は、国や自治体からの「応援」です。その応援を正しく受け取るためには、正当な手続きが欠かせません。「誰が作っても同じ」と考えるのではなく、ルールを守って活動しているプロを尊重し、正しい対価を支払って依頼することが、結果としてあなたの会社の信頼を築くことにつながります。
もし「怖い」と感じた時にすぐ取るべき行動
今、契約している業者に対して「これって法律違反じゃないかな?」と不安を感じているあなたへ。まずは物理的に「書類作成の依頼」をストップしましょう。そして、別の第三者(別の行政書士や商工会議所など)に状況を相談し、客観的な意見をもらうようにしてください。SNSでの派手な宣伝だけで判断せず、確かな資格と実績を確認することが大切です。
2026年の最新対策:最新の確認方法
2026年、私たちを守るための確認手段も簡単になっています。
- 登録検索システム: 日本行政書士会連合会の公式サイトで、名前や登録番号を入力するだけで、本物かどうか一瞬で分かります。
- 電子署名の確認: ネットで書類を出す際、行政書士が自分の資格を証明するデジタルな印鑑を使っているか確認しましょう。
おわりに:正しいルールを知ることが、一番の近道
「補助金の書類は行政書士に頼む」か「完全に自分たちで作る」か。この2つの道がはっきりしたのが、今回のルールの大きな特徴です。
新しいルールを正しく知って守ることは、一見めんどくさそうに見えても、実はあなたの会社を一番安全に、そして確実に成長させる近道になります。
ルールは、知っている人の味方です。信頼できるパートナーと一緒に、あなたの会社の新しい一歩を踏み出してください。
