フリーランス新法で何が変わる?自分を守るために絶対知っておくべき「7つのルール」
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はじめに|「下請けだから、個人だから」とあきらめていませんか?
「契約書をくれないまま仕事が始まり、後から大幅な修正を無償で要求された」
「支払日がいつの間にか延ばされて、自分の生活費がピンチになってしまった」
「育児や介護で少しスケジュールを調整したいけれど、言い出したら次から仕事がなくなるかも……」
フリーランスとして活動していると、組織という後ろ盾がない分、どうしてもクライアントの顔色をうかがって無理な要求を飲んでしまいがちですよね。
でも、もうそんなふうに自分を押し殺して、すり減りながら働く必要はありません。
結論から、ハッキリとお伝えしますね。
2024年11月に施行された「フリーランス新法」によって、不当な扱いは「法律違反」として明確に禁止されました。
この法律は、2026年現在の今、フリーランス業界において「知らないと損をする」どころか「知らなければ身を守れない」必須の知識となっています。
この記事では、あなたがクライアントと対等に、そして心から安心して仕事をするために不可欠なポイントを、実務に即して詳しく整理しました。
難しい法律の条文を丸暗記する必要はありません。
この記事を読み終える頃には、「自分には守られる権利があるんだ」という確信を持ち、毅然とした態度で交渉できるようになっているはずです。
本題|そもそも「フリーランス新法」の対象者はだれ?
この法律が守ってくれる「フリーランス(特定受託事業者)」の定義を確認しておきましょう。
それは、「従業員を雇わず、一人で、または家族だけで仕事をしている個人事業主や法人」のことです。
あなたが法人化していても、自分一人だけであれば対象になります。逆に、アシスタントなどを一人でも雇っていれば、あなた自身が「発注者」として法律を守る側になることもあります。
そして、この法律が適用されるのは「企業や、従業員を雇っている個人事業主」からの依頼です。
つまり、ビジネスとしてあなたに仕事を頼むほとんどのケースが、この法律の監視下にあるということです。
フリーランス新法が定めた「3つの大きな柱」
この法律は、取引のステージに合わせて、クライアントに厳しいルールを課しています。
1. 取引の「見える化」|書面交付の義務
「とりあえず進めておいて。金額は後で決めるから」という曖昧な依頼は、もう通用しません。
報酬の額、支払期日、具体的な業務内容、納品場所などを明記した「書面」または「メール・SNSメッセージ」を出すことが、クライアントの絶対的な義務になりました。
「言った・言わない」の不毛な争いを防ぐための、最も基本的で強力なルールです。
2. 報酬の「早期支払い」|60日ルールの徹底
納品したのに支払いが数ヶ月先、あるいは「クライアントのそのまた先のクライアント(元請け)」から入金があるまで待たされる、なんてことは禁止です。
原則として、納品物を受け取った日から数えて「60日以内」の、できるだけ短い期間に支払わなければなりません。
あなたの労働に対する対価は、あなたの生活を守るためのものであり、迅速に支払われるべき正当な権利なのです。
3. 就業環境の「適正化」|ハラスメントと両立支援
フリーランスであっても、セクハラ、パワハラ、マタハラから守られる権利が明記されました。
さらに、育児や介護など、家庭の事情で短時間の稼働が必要な場合、クライアントは必要な配慮をしなければなりません。
「自由な働き方」を選んだからといって、人間としての尊厳や生活の安全を奪われることがあってはならないのです。
【必読】継続的な案件でやってはいけない「7つの禁止行為」
1ヶ月以上の長期案件や、何度も更新される仕事の場合、クライアントには以下の行為が厳格に禁止されています。
| 禁止項目 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 受領拒否 | 注文した通りに作ったのに、「やっぱりいらない」と受け取らないこと。 |
| 報酬の減額 | 発注後に、自分の予算都合などで勝手に報酬を削ること。 |
| 返品の禁止 | 受け取った後に、傷や不備がないのに「やっぱり返却する」と言うこと。 |
| 買いたたき | 通常よりも著しく低い報酬を、「嫌なら断れ」と押し付けること。 |
| 物品・サービスの強制 | 指定の有料ソフトや自社商品を買わないと仕事を振らないと強要すること。 |
| 経済的利益の要請 | 「今回だけ無料でやって」「協賛金を出して」と金銭や労働を巻き上げること。 |
| やり直しの強制 | 非がないのに何度も修正をさせ、追加の報酬を一切払わないこと。 |
これらの行為は、すべて「優越的地位の濫用」として、法律違反の対象になります。
もし一つでも心当たりがあるなら、それは「あなたが我慢すべきこと」ではなく、「相手が法律を破っている」状態です。
契約終了の「30日前ルール」をご存知ですか?
今回の新法で、多くのフリーランスが救われることになったのが「契約解除の予告」に関するルールです。
6ヶ月以上の長期契約を結んでいる場合、クライアントが契約を打ち切る(中途解約する、または更新しない)ときは、**「少なくとも30日前」**までに予告しなければなりません。
「明日から来なくていいよ」という突然の契約終了は、原則として認められなくなったのです。
もし急に打ち切られた場合は、その理由を文書で請求する権利もあなたにはあります。
この30日間があれば、あなたは次の案件を探したり、生活の段取りを整えたりすることができますよね。この「猶予期間」は、フリーランスの生命線とも言える重要な権利です。
トラブルを防ぎ、身を守るための「エビデンス(証拠)」活用術
法律があっても、証拠がなければ戦うことはできません。
プロのフリーランスとして、日頃から以下の「エビデンス」を残す習慣をつけましょう。
打ち合わせは必ず「議事録」を送り、承認を得る
口頭での指示は、後で必ず「言った・言わない」になります。
「先ほどのミーティングで決定した修正内容は、以下の通りで相違ないでしょうか」とチャットやメールで送り、相手の「了解しました」という返信を保存しておきましょう。
修正の「回数」と「範囲」をあらかじめ決める
「やり直しの強制」を防ぐためには、最初の契約時に「無料修正は2回まで、それ以降は1回につき◯円」と決めておくのが最もスマートです。
新法を理由に、「コンプライアンスの観点から、修正範囲を明確にさせてください」と切り出すのがおすすめです。
すべてのやり取りを「保存」する
万が一、報酬が未払いになったとき、仕事の依頼メール、納品したファイルの送信履歴、検収完了の連絡は、すべて「裁判でも使える証拠」になります。
プロジェクトが終わるまでは、どんなに小さなやり取りも消さずに残しておいてくださいね。
Q&A|フリーランス新法にまつわる「現場のリアルな悩み」
Q.相手が「新法なんて知らない」と言い張る場合は?
「知らない」は通用しません。法律はすべての人に適用されます。
相手を刺激したくないときは、「最近、フリーランス新法の影響で契約フローが変わったと聞きまして、念のため確認させていただけますか?」と優しく促してみましょう。
Q.「書面」は紙でなければダメですか?
いいえ、電子メール、LINE、Slack、チャットワークなどのデジタルデータでも全く問題ありません。
大事なのは「後から見返せる形」で残っていることです。できればスクリーンショットも撮っておくと安心です。
Q.匿名で通報することはできますか?
はい、公正取引委員会などの窓口では、相談者のプライバシーは厳守されます。
「特定の誰かが通報した」とバレないように配慮しながら、企業への指導を行ってくれるケースもあります。
Q.再委託(外注)をする場合に気をつけることは?
あなたが他のフリーランスに仕事を振る場合は、あなたが「発注者」としての義務(書面交付など)を負うことになります。
「自分も守られる立場だが、相手も守る立場」であることを忘れないようにしましょう。
事例|ハラスメントと契約解除を乗り越えた、あるエンジニアの話
フリーランスエンジニアのDさんは、ある企業のプロジェクトに半年間携わっていました。
ところが、新しいマネージャーから深夜の執拗な連絡や、人格を否定するような暴言を浴びせられるようになりました。
Dさんが「ハラスメントではないか」と指摘したところ、翌日に「明日で契約終了」と告げられました。
Dさんは新法を盾に、「30日前までの予告がない不当な解除」と「ハラスメント行為」について、専門家に相談しました。
結果として、企業側は非を認め、30日分の報酬相当額と、ハラスメントに対する誠意ある対応を約束することになりました。
「法律があるというだけで、これほど冷静に自分を守れるとは思わなかった」とDさんは振り返っています。
まとめ|今回は「新時代のフリーランスを守る法律」についてでした
今回は、2026年現在のフリーランスにとって最も大切な盾である「フリーランス新法」について解説しました。
この法律は、単に相手を縛るためのものではなく、お互いがプロとして、気持ちよく仕事をするための「ルールブック」です。
あなたが誠実にスキルを提供するのと同様に、クライアントも誠実に対価を払い、環境を整える義務がある。
その当たり前のことが、ようやく国全体のルールとして定着したのです。
「おかしいな」と感じたとき、その直感はたいてい正しいものです。
知識という武器を身につけることで、あなたはもう、理不尽な要求に震える必要はありません。
もし、具体的なトラブルの真っ只中にいたり、契約書の文言に不安があったりするときは、一人で悩まずに私を頼ってください。
あなたが自由で、公平で、自分の仕事に誇りを持って歩み続けられるよう、全力で応援しています。
今回は「フリーランス新法」についてのお話でした。
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