フリーランスの「準委任契約」とは?請負との違いやトラブルを防ぐチェックポイント

はじめに|契約書の言葉が難しくて、不安になっているあなたへ

「クライアントから送られてきた契約書に『準委任契約』って書いてあるけれど、これってどういう意味?」

「『請負(うけおい)』と何が違うの?私にとって損な内容じゃないかな?」

「もし仕事が終わらなかったら、報酬はもらえないんだろうか……」

フリーランスとして活動していると、契約書の堅苦しい言葉にドキッとすることってありますよね。

特に「準委任」という言葉は、日常ではまず使わないので、正しく理解できているか自信がない方も多いはずです。

クリエイターやエンジニアにとって、契約書は自分の身を守るための「唯一の盾」です。

ここを曖昧にしたままハンコを押してしまうのは、裸で戦場に行くようなものかもしれません。

結論から言うと、準委任契約は、フリーランスにとって「結果の保証」をしなくていいという大きなメリットがある契約です。

でも、その分「プロとしての仕事の進め方」を厳しく問われるという側面も持っています。

2026年現在、働き方が多様化する中で、この「準委任」のルールを知っているかどうかが、あなたの報酬と身の安全を左右します。

この記事では、準委任契約の本当の意味を、難しい専門用語を抜きにして、フリーランスの目線で分かりやすく解説します。

最後まで読めば、契約書を交わすときの不安が消えて、堂々とクライアントと交渉できるようになるはずです。

大切なお金と時間を守るために、まずは「準委任」の正体を一緒に解き明かしていきましょう。

本題|準委任と請負、どっちがいいの?「一番の違い」はここ!

フリーランスの仕事は、大きく分けて「請負」か「準委任」のどちらかであることがほとんどです。

この二つの違いを一言で言うなら、**「何を売っているか」**の違いです。

請負契約は「完成品」を売る仕事

ロゴデザイン、記事の納品、システム完成など、「形のある成果」を約束するのが請負です。

どれだけ寝ずに頑張っても、完成しなければ1円ももらえないというのが基本のルールです。

その代わり、自分の好きな時間・好きな場所で進められる自由度が高いのが特徴です。

準委任契約は「自分のスキルと時間」を売る仕事

コンサルティング、事務作業、システム運用、PM(プロジェクトマネジメント)などがこれに当たります。

「何かが完成したかどうか」ではなく、「誠実にその業務に取り組んだか」に対して報酬が支払われます。

最終的にプロジェクトが頓挫してしまっても、あなたがしっかり働いていれば報酬は発生するのです。

この「過程を評価してもらえる」という点が、準委任契約の最大の安心材料と言えるでしょう。

準委任契約で絶対に忘れてはいけない「善管注意義務」の重み

「完成を約束しなくていいなら、適当にやっていいの?」と思うかもしれませんが、それは大きな間違いです。

準委任契約には、法律で定められた「善管注意義務(ぜんかんちゅういぎむ)」という重い責任がセットになっています。

これを日常の言葉で言うなら、**「プロとして、期待されるレベルでちゃんと働いてね」**という意味です。

「プロとしての配慮」を具体例で考えると?

例えば、プロの料理人に家庭料理の代行を頼んだとしましょう。

料理人が「味は保証しませんよ」と言って、賞味期限切れの材料を使ったり、包丁を洗わずに使ったりしたらどうでしょうか。

たとえ料理が完成したとしても、それはプロとしての義務を果たしたとは言えませんよね。

フリーランスも同じで、エンジニアなら当然やるべきセキュリティ対策、ライターなら当然守るべき著作権の配慮などが必要です。

「結果」は保証しなくていいけれど、「仕事のプロセス(質)」はプロとして完璧でなければならない。

これが準委任契約の隠れた、しかし非常に重いルールなんです。

報告こそがあなたの身を守る!「報告義務」の大切さ

準委任契約において、あなたはクライアントに対して「今、どういう状況か」を報告する義務があります。

これを怠ると、後でトラブルになったときに「ちゃんと働いていた」と証明できなくなってしまいます。

「今週はこれだけの作業をしました」「こういう問題が見つかったので対処しました」という履歴をこまめに残しましょう。

メールやチャットツールのログ、週次報告書などが、あなたの報酬を裏付ける最強の証拠になります。

相手から「何もしていないじゃないか」と言わせないための、唯一の防御策だと覚えておいてください。

フリーランスが準委任契約で「損をしない」ためのチェックリスト

契約書にサインする前に、以下のポイントが明確になっているか必ず確認してください。

1. 報酬が「時間」なのか「月額固定」なのか

「月◯時間までは定額、それを超えたら時給◯円」という条件が多いですが、ここが曖昧だと便利使いされてしまいます。

稼働時間が少なすぎるときに減額されないか、逆に多すぎるときに上乗せがあるかをチェックしましょう。

2. 「業務の範囲」がどこまでか

準委任は「何でも屋」になりやすい契約です。

「これ、ついでにやっておいて」とどんどん仕事が増えていかないよう、自分が何をやるのかを具体的に書いておきましょう。

3. 「再委託」ができるかどうか

もしあなたが体調を崩したり、手が回らなくなったりしたとき、他の人に手伝ってもらえるでしょうか。

「再委託禁止」という条項があると、あなた一人で全てを抱え込むことになり、リスクが非常に高まります。

4. 成果物の「権利」は誰のものか

「完成」を目的としない準委任でも、途中で作った資料やプログラムのコードなどが発生します。

それらの著作権が、納品と同時に相手に移るのか、それともあなたが持ち続けられるのか、ここも重要な確認ポイントです。

Q&A|準委任契約でよくある「モヤモヤ」を解消!

Q.準委任なのに「納品物がないと払わない」と言われました。

それは契約の「いいとこ取り」をされている可能性があります。

準委任であれば、報告書の提出はあっても、成果物の完成を報酬の条件にすることはおかしいです。

「この契約は準委任なので、稼働実績に基づいてお支払いいただけますよね?」と確認しましょう。

Q.契約期間の途中で辞めることはできますか?

準委任契約は、基本的にはいつでも解約できますが、相手に不利な時期に解約すると損害賠償を求められることがあります。

「◯月◯日までに言えば解約できる」というルールをあらかじめ決めておくと、お互いに安心です。

Q.クライアントから細かく指示されます。これって普通?

あまりにも細かく指示され、あなたの自由裁量がない場合は、いわゆる「偽装請負」の疑いがあります。

もしあなたが社員と同じように扱われ、時間も拘束されているなら、それは「雇用」に近い状態です。

フリーランスとしての自由を守るためには、仕事の進め方の決定権はあなたにあるはずです。

事例|「準委任」で救われたWebディレクターのBさんの話

あるWebディレクターのBさんは、大規模サイトの立ち上げ案件を「準委任」で引き受けました。

しかし、クライアント側の社内調整が難航し、制作途中でプロジェクトそのものが中止になってしまいました。

もしこれが「請負」だったら、Bさんは完成品を納めていないため、一銭も報酬をもらえないところでした。

でも「準委任」だったおかげで、それまで稼働した3ヶ月分の報酬がしっかり支払われました。

「自分の時間が無駄にならず、プロとしての労力が正当に評価された」とBさんは胸をなでおろしていました。

まさに、不確実な仕事において「準委任」が力を発揮した好例です。

まとめ|今回は「フリーランスが知っておくべき準委任契約」についてでした

今回は、準委任契約のメリットと、その裏にある責任、そして身を守るためのコツをお話ししました。

「結果を出さなきゃ」というプレッシャーを和らげてくれる準委任契約は、長期的なサポート業務にはとても向いています。

でも、だからこそ「自分の価値をどう証明するか」というプロ意識が、これまで以上に問われることになります。

契約書の言葉一つで、あなたの報酬の守られ方は大きく変わります。

少しでも「これってどういう意味?」「自分に不利じゃない?」と感じたら、立ち止まって確認する癖をつけてくださいね。

プロとしての誇りを持ちつつ、契約というツールを使いこなして、心地よい働き方を手に入れましょう。

もし、目の前の契約書が自分にとって安全なものか判断がつかないときは、一人で悩まずに相談してください。

あなたがフリーランスとして、安心して自分のスキルを発揮できる環境を作れるよう、全力でサポートします。

今回は「フリーランス 準委任」についてのお話でした。

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