デートのドタキャンでキャンセル料は請求できる?法的根拠と例外ケースを解説

はじめに

デートの約束をしていたにもかかわらず、
直前になって相手から一方的にキャンセルを告げられた。

しかも、レストランの予約やチケット購入など、
すでに時間やお金をかけて準備していた――
そのような経験は、精神的にも金銭的にも大きなダメージになります。

「これだけ迷惑をかけられたのだから、
キャンセル料の一部くらいは相手に負担させたい」
そう考えるのは自然な感情です。

しかし、結論から言えば、
一般的な友人や交際相手とのデートにおいて、
法的根拠に基づいてキャンセル料を請求することは、
現実的には非常にハードルが高い
のが実情です。

本記事では、
なぜデートのドタキャンではキャンセル料請求が難しいのか、
その法的理由を整理したうえで、
例外的に請求が検討できるケース、
そして現実的な解決策について、
法律の視点からわかりやすく解説します。

デートの約束は「契約」とみなされるのか

キャンセル料を請求できるかどうかを考えるうえで、
まず問題となるのが
「デートの約束は法的な契約なのか」という点です。

法的拘束力のある契約とは

法律上の契約とは、当事者間で
「一定の行為を行う義務」と「その対価」が合意されたものを指します。

たとえば、レストランやホテルの予約では、
サービスの提供と料金の支払いという明確な合意が存在します。

そのため、キャンセル料が発生する場合も、
契約上のルールとして整理されやすくなります。

デートの約束は「好意関係」と評価されやすい

一方、個人同士のデートの約束は、法律用語では
「好意関係(法的拘束力を持たせない約束)」
と評価されるのが一般的です。

これは、
「必ず会わなければならない」
「会えなかった場合に金銭的責任を負う」
といった法的義務が発生しているとは考えにくいためです。

そのため、デートをキャンセルしたからといって、
直ちに債務不履行として損害賠償を請求することは困難になります。

不法行為として請求することはできるのか

契約としての請求が難しい場合、
次に考えられるのが、民法709条に基づく
不法行為による損害賠償請求です。

不法行為が成立するための要件

不法行為として相手に責任を問うためには、
以下の要件をすべて立証する必要があります。

  • 相手に故意または過失があること
  • 違法性のある行為があったこと
  • 現実に損害が発生していること
  • その行為と損害の間に因果関係があること

つまり「ドタキャンされた」という事実だけでは足りず、
法的に責任を負わせるだけの事情が必要になります。

立証のハードルは非常に高い

たとえば、単なる体調不良や急な用事によるキャンセルでは、
違法性や過失を立証することはほぼ不可能です。

また損害についても、
すでに支払ったキャンセル料やチケット代など、
客観的な証拠(領収書等)が必要になります。

感情的なショックや時間の無駄といった精神的損害を、
金額として評価するのは極めて困難です。

裁判を起こす現実的な壁

仮に少額訴訟(60万円以下)を利用するとしても、
現実的には多くの壁があります。

費用と手間の問題

裁判には、印紙代や郵券代といった費用がかかるほか、
書類作成や出廷といった手間も必要です。

回収できる金額が数千円から数万円程度であれば、
費用対効果は著しく低くなりやすい点は否めません。

関係性の完全な破綻

裁判を起こすという行為は、
相手との関係を完全に断ち切ることを意味します。

友人関係や交際関係が修復不可能になるリスクも含め、
総合的に判断する必要があります。

例外的に請求が検討できるケース

原則として請求が難しいとはいえ、
以下のような事情がある場合には、
例外的に一部負担を求める余地が生じることがあります。

事前に費用分担を合意していた場合

「チケット代は折半しよう」
「キャンセルした場合はキャンセル料を負担する」

といった具体的な合意が、
LINEやメールなどの記録として残っている場合、
その合意内容に基づく請求が検討できます。

ここでは、口頭だけでなく
記録として残っているかが重要になります。

単なるデートを超える段階にあった場合

結納や結婚式の準備、両家顔合わせなど、
結婚を前提とした具体的な準備段階に入っていた場合には、
単なる好意関係を超えた法的評価がされる可能性があります。

この場合、支出の性質や当事者の合意内容によっては、
損害の一部が問題になり得ます。

最初から金銭を騙し取る目的があった場合

会う意思がまったくないにもかかわらず、
相手にチケット代や食事代を立て替えさせて逃げるようなケースでは、
詐欺として責任を追及できる可能性があります。

ただし、ここでも「最初から騙す意図」を示す事情が必要で、
簡単に認められるわけではありません。

現実的な解決策として考えるべき対応

法的手段に訴える前に、
まずは現実的な解決策を検討することも重要です。

感情を抑えた実費の相談

「お店のキャンセル料が〇〇円かかってしまったので、
半分負担してもらえないか」

といった形で、感情的にならず、
事務的に相談する方が解決につながりやすいケースもあります。

このとき、領収書や予約画面など、
金額の根拠を示せるものを添えると話が早くなります。

相手の対応を見極める

誠実な相手であれば、
自ら負担を申し出たり、
次の機会に埋め合わせを提案してくることもあります。

その対応自体が、今後の関係を見直す判断材料になるでしょう。

金銭トラブルに発展している場合の相談先

「チケット代を支払うと約束していたのに踏み倒された」など、
具体的な金銭トラブルに発展している場合には、
弁護士の無料相談や法テラスを利用することも検討してください。

金額が少額でも、証拠の整理や請求方法で結果が変わることがあります。

まとめ|法的請求よりも冷静な判断が重要

デートのドタキャンは感情的に納得がいかない出来事ですが、
法的にキャンセル料を請求することは原則として困難です。

例外的な事情がない限り、
法的手段に固執するよりも、
冷静な話し合いや関係の見直しを含めた判断が、
結果的に負担を小さくすることにつながります。

もし具体的な金銭的被害が発生している場合には、
状況に応じた専門家への相談を検討してください。

詳しくは こちらのサイト をご覧ください