マッチングアプリWithでのドタキャン被害|発生した費用の法的な請求と内容証明による正式な通知
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はじめに
人気のマッチングアプリWithを通じて、時間をかけてメッセージを重ね、ようやく実現した初めてのデートの約束を、直前になって一方的にドタキャンされてしまうという経験は、非常に精神的な負担が大きく、また、既に支出してしまった費用がある場合は、経済的な憤りも感じるものです。単なるマナーの問題として片付けられがちなこの行為ですが、状況によっては法的な責任が発生し、損害の賠償を請求できる可能性があることをご存知でしょうか。
法律の用語に一定の理解をお持ちの読者の皆様へ、マッチングアプリでのドタキャンによって生じた金銭的な被害に対し、どのように法的な根拠をもって対処し、行政書士の専門分野である内容証明郵便をどのように活用すべきか、その詳細な手順と論理を丁寧に解説いたします。
この記事をお読みいただくことで得られる法的な知見
本記事をお読みいただくことで、マッチングアプリの利用を経て成立したデートの約束の破棄が、民法上の不法行為や債務不履行といった概念にどのように結びつき、損害賠償請求の根拠となるのか、その法的な枠組みを深く理解していただけます。
特に、約束の履行を信じたために支出した費用、すなわち信頼利益の概念について、具体的かつ明確な説明を得ることができます。さらに、ご自身の主張を、単なる感情的な訴えではなく、法的に整えられた文書、すなわち内容証明郵便として相手方に通知することの重要性と、その文書の具体的な構成要素について把握していただけるでしょう。
感情的なトラブルを法的なステージへと移行させ、公正かつ早期に解決へと導くための具体的な知識と、そのサポートを行政書士に依頼することの価値をご理解いただけます。
デートの約束を一方的に破棄された際の具体的な金銭的損失の事例
これは、マッチングアプリでのドタキャンがいかに具体的な損害を生み出すかを示すための架空の事例です。あくまで事例であることをお断りしておきます。
会社員のGさんは、マッチングアプリWithで知り合ったHさんと、二週間かけてメッセージのやり取りを重ね、週末に遠方にある人気の遊園地でデートをする約束を取り付けました。Gさんは、Hさんを楽しませたい一心で、事前に遊園地の入場ペアチケット(一組一万五千円)を購入し、さらに、遊園地の近くの宿泊施設を一泊分予約しました。この宿泊施設は、当日キャンセルでは宿泊料の全額が発生するキャンセルポリシーでした。また、Gさんは、Hさんの住む地域へ向かうための往復新幹線指定席券(合計二万円)も購入済みでした。
デート前日の夜、Gさんが最終確認のメッセージを送ったところ、Hさんから「急に仕事が入ってしまったので、今回は行けなくなりました。ごめんなさい」という、非常に簡潔なメッセージが返ってきました。Gさんは、既に発生している宿泊施設のキャンセル料や、使い道のない遊園地のチケット代、そして新幹線の特急券の払い戻し手数料を合わせると、合計で五万円近い損失が発生していることを確認しました。
Gさんがその損害についてHさんに連絡したところ、Hさんは「プライベートな約束なので、法的な責任は負えない」と言い、その後一切の連絡を絶ってしまいました。Gさんは、この一方的かつ無責任な行為に対して、ただ泣き寝入りするのではなく、支出した費用だけでも正当に回復したいと強く望んでいます。
約束破棄の行為を法的にどう位置づけるか|民法における損害賠償責任の考え方
上記のようなマッチングアプリを通じたデートの約束は、通常の売買契約のような厳密な法律行為とは見なされにくいですが、当事者間において、相手の行動を信頼して特定の費用を支出させたという点に、法的な責任の発生根拠を見出すことができます。この行為は、民法上の不法行為、または契約締結上の過失といった概念に準じて、損害賠償責任を追及できる可能性があります。
特に、正当な理由なく一方的に約束を破棄した行為は、他人の権利や法的に保護される利益を侵害したとして、民法上の不法行為に該当する可能性があります。この不法行為について定めた条文は、民法第七百九条です。
民法第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
この条文の解説ですが、マッチングアプリを通じてデートの約束を交わし、一方がそれに伴う費用(チケット代、宿泊予約、交通費など)を支出したという事実は、その約束を相手が誠実に履行するという信頼の上に成り立っています。この信頼を裏切り、理由なくドタキャンし、相手に経済的な損失を被らせる行為は、社会生活における信義則に反するものであり、相手の経済的利益を侵害した不法行為として、損害賠償責任が発生する根拠となるのです。
この文脈において、損害賠償請求を行う上で不可欠な三つの法的専門用語を解説いたします。
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信義則
これは信義誠実の原則の略であり、すべての法律関係において、当事者は互いに相手の信頼を裏切らないよう、誠実に行動しなければならないという原則です。マッチングアプリの約束であっても、互いに連絡を取り合い、特定の行為(デート)の実現を期待させた以上、この信義則に基づき、約束を履行するか、履行できない場合は速やかにかつ誠意をもって連絡する義務が生じます。この原則に反したドタキャンは、法的な非難の対象となり得ます。 -
信頼利益
これは、契約が成立し、履行されると信じたために支出した費用、すなわち約束が守られることを前提として費やしたコストのことです。先の事例でいえば、遊園地のチケット代、宿泊施設のキャンセル料、新幹線の特急券の費用などがこれにあたります。ドタキャンによって約束が破棄された結果、これらの費用が無駄になった場合、この信頼利益の損害を相手に賠償請求することができます。 -
内容証明郵便
これは法的な請求を行う際に、行政書士が作成を専門とする重要な文書です。ドタキャンの相手が連絡を絶ってしまった場合など、当事者間での話し合いが不可能になった際に、あなたの正当な請求内容と、支払いの期限、そして法的手段も辞さないという強い意思を、郵便局によって公的に証明された文書として相手に送付します。これにより、相手はあなたの請求を無視できなくなり、事態を法的に解決へと進めるための最初の決定的な一歩となるのです。
これらの法的根拠に基づき、ドタキャンによって生じた金銭的な損害については、明確な証拠があれば、内容証明郵便によって相手に賠償を求めることが可能です。
相手に明確な支払いを要求するための内容証明郵便の作成例
ドタキャンによる損害賠償請求を具体的に行う際には、感情的な文言を避け、法的な事実と根拠、請求金額を明確にした内容証明郵便を送付することが肝要です。行政書士が作成することで、その文書は単なる個人の主張を超えた、法的な請求としての重みを持つことになります。
以下は、先に挙げた事例のGさんがHさんに対して送付する内容証明郵便の文例として、請求の趣旨と法的根拠を明確にしたものです。
通知書 拝啓 当職は、貴殿に対し、下記の事実に基づき、損害賠償金として金〇〇円の支払い並びに 本書到達の日の翌日から支払済みに至るまでの期間につき年三パーセントの割合による 遅延損害金の支払いを請求いたします。 記 一、貴殿と通知人とは、マッチングアプリWithを通じて知り合い、 令和七年十二月十三日に〇〇遊園地にて面会する旨の合意が成立しておりました。 二、通知人は、上記合意に基づき、貴殿との面会に要する費用として、 〇〇遊園地の入場ペアチケット(金〇〇円)、宿泊施設の予約(キャンセル料 金〇〇円)、 および往復の新幹線指定席券(金〇〇円)を事前に購入し、合計金〇〇円の費用を支出いたしました。 三、通知人は、上記予約及び購入の事実を貴殿にもお伝えしておりましたが、 貴殿は令和七年十二月十二日、正当な理由なく一方的に面会の約束を取り消す旨の電子メッセージを送信し、 その後、通知人からの連絡を意図的に遮断しております。 四、貴殿の一方的な約束の破棄により、通知人が貴殿との面会を信頼して支出した上記費用(信頼利益)は すべて無駄となり、通知人は金〇〇円の具体的な経済的損害を被りました。 五、貴殿の行為は、前述の民法第七百九条に定める不法行為に該当し、 通知人が被った損害を賠償する責任を負うものと判断いたします。 つきましては、本書到達の日から起算して七日以内に、上記損害賠償金として金〇〇円を、 下記指定口座へお振込みいただくよう強く要求いたします。 万一、上記期間内にお支払いが確認できない場合は、誠に遺憾ながら、 通知人の被った損害を回復するため、裁判所への訴訟提起を含む法的手段に移行することになりますので、 予めご承知おきください。その際には、別途、訴訟費用等の一切の費用負担も貴殿に求めることになります。 敬具 令和七年十二月〇日 被通知人 〇〇 〇〇 殿 通知人 〇〇 〇〇 (連絡先 〇〇)
この文例のように、損害賠償請求においては、約束の事実、信頼に基づく費用の支出(損害額)、法的な根拠、そして期限付きの支払い要求を明確に記載することが、内容証明郵便の最も重要な機能となります。
感情的な対立を避け、冷静な解決へと導く専門家への相談
マッチングアプリでのドタキャン被害は、特に感情的な要素が強く絡み合い、当事者同士での話し合いは、冷静さを欠き、かえって事態を悪化させてしまう危険性があります。相手が連絡を絶ってしまった場合などは、個人での解決は極めて困難となります。
このようなプライベートなトラブルにおいて、法的な文書作成の専門家である行政書士に相談することは、感情的な対立から脱却し、事態を法的なルールに基づいた冷静な解決へと導くための最も有効な手段です。行政書士は、お客様の感情的な側面を理解しつつも、客観的な第三者の視点から、ドタキャンの経緯と損害を法的に整理し、説得力のある内容証明郵便を作成します。
この文書によって、相手に対し、単なる個人的な恨みではなく、法的な責任が問われていることを明確に伝え、交渉のテーブルに着くことを促します。手間や費用を惜しまず、トラブルの初期段階で行政書士にご相談いただくことは、迅速かつ円満に事態を収束させ、お客様が本来の平穏な生活を取り戻すための賢明な判断と言えるでしょう。
法的な文書作成でトラブル解決をサポートする行政書士へのご相談窓口
当事務所は、マッチングアプリでのドタキャン被害をはじめとする、個人間の金銭トラブルや、合意書の作成を専門としており、特に内容証明郵便の作成を通じて、お客様の正当な権利行使を強力にサポートいたします。
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