マッチングアプリで騙された 既婚者との交際が発覚した場合の慰謝料請求と法的手続き
Contents
- 1 はじめに
- 2 この記事でわかること
- 3 恋愛の自由と法的責任|なぜ既婚者隠しは許されないのか
- 4 慰謝料請求の成否を分ける「証拠」の積み上げ方
- 5 デジタル証拠を「法的な武器」に変える具体的な保存術
- 6 スクリーンショットは「点」ではなく「線」で残す
- 7 「画面録画(スクリーンレコード)」の活用
- 8 「送信取り消し」への対抗策
- 9 写真や位置情報の「メタデータ」を確認する
- 10 具体的なケーススタディ|どのような状況で慰謝料は認められるか
- 11 慰謝料の相場と金額を左右する要因
- 12 感情に流されない交渉の進め方
- 13 「逆に訴える」と言われたときの正しい理解
- 14 行政書士と弁護士、それぞれの役割の違い
- 15 示談書でトラブルを終わらせる意味
- 16 精神的ダメージからの回復について
- 17 再発防止のために意識したいポイント
- 18 結びに代えて
はじめに
マッチングアプリの普及により、出会いの形は大きく変わりました。
今では、真剣な交際や結婚相手探しの手段として利用することも、ごく自然なことになっています。
その一方で、既婚者が独身を装って登録し、真剣に婚活や恋活に向き合う人の人生を深く傷つける、いわゆる「既婚者隠し」の問題が後を絶ちません。
裏切りを知った瞬間の衝撃は、簡単な言葉で表せるものではありません。
「自分がもっと注意していれば」
「どうして見抜けなかったのだろう」
そうやって、自分を責め続けてしまう方も少なくありません。
ですが、ここではっきりお伝えしておきたいことがあります。
悪いのは、嘘をついて交際を続けた側であり、あなたではありません。
あなたは、法的にも守られるべき立場にあります。
この記事では、マッチングアプリにおける既婚者問題について、法律上の考え方、証拠の集め方、現実的な交渉の進め方、そして精神的な回復に向けた視点まで、実務の目線で整理していきます。
「泣き寝入りしかないのか」と悩んでいる方が、次の一歩を踏み出すための材料となることを目的としています。
この記事でわかること
既婚者隠しが、なぜ「恋愛の自由」では済まされないのか。
慰謝料請求の可否を左右する証拠の考え方と集め方。
慰謝料の相場と、金額に差が出る要因。
内容証明郵便を使った現実的な交渉の進め方。
「逆に訴える」と言われたときの正しい理解。
行政書士と弁護士、それぞれの役割の違い。
示談書でトラブルを終わらせるために押さえるべき点。
精神的ダメージから立ち直るための考え方。
単なる法律論ではなく、「現実にどう動けばいいのか」という視点を重視して解説します。
恋愛の自由と法的責任|なぜ既婚者隠しは許されないのか
多くの方が、最初に次のような疑問を抱きます。
「恋愛は個人の自由なのだから、法的な責任は問えないのではないか」
確かに、誰を好きになるかという感情そのものを、法律で縛ることはできません。
しかし、法律が守ろうとしているのは感情そのものではなく、その感情を前提に行われる「人生上の重要な判断」です。
法律上、私たちは「性的自由」や「貞操権」と呼ばれる権利を持っています。
これは、自分の人生に関わる重要な決断を、正しい情報に基づいて自分で選ぶ権利を意味します。
もし相手が「自分は独身だ」と嘘をつき、あなたがそれを信じて交際を始めたのであれば、
あなたは「独身者と誠実な交際をするという選択肢」を奪われたことになります。
特に、結婚を視野に入れた交際において、相手が既婚かどうかは判断の前提となる極めて重要な情報です。
それを意図的に隠したまま交際を続け、肉体関係を伴う関係を築いた場合、
単なる恋愛上のトラブルでは済まされず、不法行為として評価される可能性が高くなります。
「後から知った」という事実自体が、法的評価の大きな分かれ目になる点は、ぜひ知っておいてください。
慰謝料請求の成否を分ける「証拠」の積み上げ方
「決定的な証拠がないから無理だ」と考える必要はありません。
実務の現場では、一つの決定打よりも、複数の事実を積み重ねて全体像を示すことが重視されます。
重要なのは、「なぜ独身だと信じたのか」「その判断が不自然ではなかったこと」を説明できる状態を作ることです。
マッチングアプリのプロフィール画面は、嘘の出発点となる重要な証拠です。
LINEやメッセージのやり取りは、将来を期待させる言葉や独身前提の会話を含めて保存してください。
既婚が判明した際の謝罪や、事実を認める発言は、非常に強い証拠になります。
写真や領収書、宿泊記録は、交際の実態を示す資料になります。
通院記録や診断書は、精神的苦痛の大きさを裏付けます。
これらを時系列で整理することで、「騙されていた状況」を第三者にも説明できる形になります。
証拠は、強さよりも「つながり」が重要です。
デジタル証拠を「法的な武器」に変える具体的な保存術
現代の既婚者隠しトラブルにおいて、スマートフォンのデータは最も重要な証拠となります。
しかし、単に「嘘をつかれた形跡がある」というだけでは、法的な場では不十分とされることも少なくありません。
相手に言い逃れをさせないための、「客観性」と「継続性」を持った証拠保存のポイントを解説します。
スクリーンショットは「点」ではなく「線」で残す
LINEやアプリのメッセージを保存する際、ショックを受けた部分だけを切り取ってしまいがちですが、
これでは前後の文脈が不明瞭になります。
重要なのは、あなたが「独身である」と信じるに至った経緯です。
相手が独身を装った発言、将来の約束、既婚であることを否定した瞬間のやり取りなどを、
繋ぎ目がないように連続して保存してください。
また、画面上の「日付」と「時刻」は、交際の実態と期間を証明する不可欠な要素です。
必ず含める形で残します。
さらに、メッセージ画面だけでなく、相手のアイコン、名前、IDが確認できるプロフィール画面もセットで保存してください。
後に相手がアカウントを削除したり、名前を変えたりした際の同一性証明になります。
「画面録画(スクリーンレコード)」の活用
最近では、加工アプリによるスクリーンショットの偽造を疑われるケースもあります。
そこで有効なのが、スマートフォンの画面録画機能です。
アプリのアイコンから立ち上げ、相手とのトーク画面を開き、過去に遡ってスクロールしていく様子を動画で保存します。
これにより、「実際にそのアプリ内で、その相手と、その状態でやり取りが存在していた」ことを客観的に示しやすくなります。
「送信取り消し」への対抗策
既婚者隠しをする側は、自らの非を悟ると証拠を消そうと「送信取り消し」を多用することがあります。
違和感を感じたら、その時点でトークルーム全体の保存(スクリーンショット・画面録画)を優先してください。
可能であれば、パソコン版のLINEなどでログインし、履歴をテキストとして保存しておくことも有効です。
一度テキストとして確保した記録は、相手が後から画面上で消去しても、あなたの手元に残り続けます。
写真や位置情報の「メタデータ」を確認する
相手から送られてきた写真や、二人で撮った写真には、
「いつ、どこで撮ったか」という位置情報(メタデータ)が含まれていることがあります。
この情報が、相手の説明と矛盾している場合、嘘を崩す鍵になることがあります。
また、ホテルの領収書、レストランの予約メールなどは、交際の実態を示す補完証拠として有効です。
デジタルデータと組み合わせることで、証拠としての説得力が上がります。
これらのデジタル証拠は、感情的な言葉よりも雄弁に事実を語ります。
「相手が嘘を認めざるを得ない状況」を事前に作り上げることが、早期解決への最短距離となります。
具体的なケーススタディ|どのような状況で慰謝料は認められるか
状況によって、法的な評価は変わります。
ここでは、実務上よく見られるケースを紹介します。
結婚の話が具体的に進んでいた場合は、期待を裏切った度合いが大きく評価されます。
妊娠や中絶に至ったケースでは、身体的・精神的負担が重く、責任は極めて重大になります。
一方で、交際期間が短い場合は、慰謝料は比較的低額になる傾向があります。
重要なのは、「ゼロか百か」ではなく、事情に応じて評価が積み上がるという点です。
慰謝料の相場と金額を左右する要因
慰謝料に明確な定価はありません。
一般的には、数十万円から200万円程度の範囲で判断されます。
交際期間の長さ、嘘の悪質性、被害者の年齢や状況、発覚後の態度などが総合的に考慮されます。
感情的な主張よりも、事実を整理して伝えることが、結果に直結します。
感情に流されない交渉の進め方
怒りや悲しみから、直接相手を問い詰めたくなる気持ちは自然なものです。
しかし、感情的なやり取りは、証拠を壊してしまうこともあります。
書面での請求は、事実と責任を冷静に切り分けるための有効な手段です。
内容証明郵便は、交渉を「個人的な揉め事」から「法的な問題」へと引き上げます。
「逆に訴える」と言われたときの正しい理解
「不倫で訴える」と脅されることがありますが、独身だと信じる合理的理由があれば、責任を問われる可能性は低いのが実務上の判断です。
過度に恐れる必要はありません。
行政書士と弁護士、それぞれの役割の違い
行政書士は書面作成の専門家です。
弁護士は代理人として交渉・裁判を行います。
目的に応じた選択が重要です。
示談書でトラブルを終わらせる意味
合意後は必ず示談書を作成してください。
これが「完全に終わらせる」ための最後の鍵になります。
精神的ダメージからの回復について
既婚者隠しは、人を信じる力そのものを傷つけます。
回復には時間がかかりますが、法的整理は自尊心を取り戻す一歩でもあります。
再発防止のために意識したいポイント
違和感を無視しないこと。
説明を避ける相手には慎重になること。
直感は、あなたを守る重要なセンサーです。
結びに代えて
事実を整理し、責任を明確にすることは、相手を罰するためではありません。
あなた自身の人生を前に進めるための行為です。
この記事が、あなたが自分の尊厳を取り戻し、次の一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。
詳しくは こちらのサイト をご覧ください




