トラブル初期こそ行政書士に相談すべき理由と弁護士先行の危険性
リーリエ行政書士事務所では、契約書作成や内容証明郵便、書面による主張整理を得意業務としております。本記事をご覧のあなたは「トラブルが起きたらまず弁護士へ相談すべきか?」という疑問をお持ちかもしれません。確かに法律の専門家に依頼することは安心感がありますが、トラブルがまだ初期段階であれば、むしろその判断が事態をこじらせる可能性があります。
本記事では、トラブル初期に行政書士を活用すべき理由と、いきなり弁護士を立てるリスクについて、具体事例を交えて分かりやすく解説します。この記事でわかることは次のとおりです。
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なぜ弁護士先行の対応が“紛争を法廷レベルへ誘導”する可能性があるか
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行政書士を活用することがもたらすメリットと限界
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実際の事例から学ぶ「初期対応での失敗と成功」
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自分でできる対応と専門家に依頼すべきタイミング
Contents
2. 背景・基本知識
まず、行政書士とは何かをご説明します。行政書士は、官公庁に提出する書類の作成や手続き代理(許認可申請、契約書の作成など)を専門とする国家資格者です。ただし、弁護士のように訴訟代理や口頭での交渉代理を行うことはできません。
トラブルが発生した直後、相手方とのやりとりを始める段階では、その溝が大きくなっていないことが多く、書面での主張整理や交渉下準備の程度で解決する可能性があります。こうした段階で専門家に依頼して適切な文書を整えておくことは、のちのち法的な主張を明確にするうえで有利になる場合があります。
しかし、多くの人が「法律の専門家=弁護士」に頼るべきだという思い込みを持ちやすく、トラブルの規模にそぐわない段階で弁護士をすぐ投入してしまいます。相手にとっても「法的争いを前提とした対応を取らねばならない」と警戒させ、相手を硬化させてしまう危険があります。
また、「相手がすぐ弁護士を出してきたらどうしよう」と身構える気持ちも理解できますが、初期段階での柔軟性や話し合い可能性を残しておくことは、円満解決の可能性を高めるうえで有効です。
初期段階におけるよくある誤解に、以下のようなものがあります。まず、「弁護士を先に出せば相手がビビって支払ってくれるだろう」という過信。実際には相手も弁護士を用意してきて構図が対抗型になるケースもあります。次に、「最初から専門家を使わなければ主張力が弱くなるだろう」という不安。しかし文書で主張を整理し、証拠となる記録を残す対応は、弁護士段階に移る際にも有効な土台となります。
このような背景のもと、初期段階では交渉代理力よりむしろ書面整備力を重視し、過度な刺激を避ける対応が得策となる場合があるのです。
3. 具体的事例から学ぶ
以下は、実際に相談を受けた(あるいは架空にモデル化した)事例を通して、「初動対応での誤り」と「改善した対応」の対比を交えて解説します。
事例1:家賃滞納トラブル
ある相談者Aはテナントに貸していた物件で、数か月家賃が滞納していました。最初に依頼した弁護士から通知書を送ったところ、相手方は弁護士を慌てて紹介し、反論を法的根拠を並べて主張してきました。結局、話し合いは決裂し、訴訟になって高額な訴訟費用がかかってしまいました。
改善対応例では、最初に行政書士を通じて内容証明郵便で「未払家賃の支払を求める通知と支払計画案」を丁寧に整理して送付しました。その際、滞納理由を聞いたり、分割返済案を先方に提示する余地を残す文面としました。相手方は法的構えを取らずに応諾し、支払いが再開されました。この対応により、訴訟に至ることなく穏便に解決できました。
事例2:近隣との境界線・越境問題
Bは隣人との境界線問題に直面していました。隣地の物置が境界を超えて越境しており、所有者に撤去を求めたいものの、感情的対立を避けたかったため、最初から弁護士を出すことには抵抗がありました。
初動を誤ってすぐ弁護士を立てたケースでは、隣人側も弁護士を立て、「これは越境どころか不法占拠だ」と強い主張を持ち込まれました。対立が深まり、話し合いすら困難になりました。
改善例として、行政書士名義で交渉書案や協議案、図面・越境部分の調査報告をまとめ、まずは冷静・客観的な文書で相手に提案を送付しました。そこで双方の主張をすり合わせ、現地で立会いを伴う協議を行ったうえで、最終的な合意を文書化しました。訴訟まで至らず、感情的軋轢を最小限に抑えられました。
事例3:小口債務(売掛金未回収)
Cは取引先に対し、少額の売掛金が未払いとなっていました。最初から弁護士を通すとコストが見合わないと判断し、独力で督促をかけましたが、相手先は無視を続け、対応も曖昧でした。
誤対応例では、いきなり内容証明を自分名義で送ったところ、相手は反発し、業務関係を断絶してしまい、結局訴訟しか選択肢が残りませんでした。
改善対応例では、行政書士を通じて、債権明細を添付した丁寧な催告書を作成し、支払意思を問う文言と併せて支払期日・支払方法を具体的に提示しました。相手方にも心理的余地を残す文面とした結果、応答があり、一部支払いがなされ、残額は分割払いで合意が成立しました。
以上のように、初動対応が適切であれば、訴訟に至る前に一定の解決を図れる可能性があります。
4. アドバイス・対処法(約500字)
まず、専門家に依頼するなら行政書士からという順序を頭に入れておくとよいでしょう。相談時にはトラブルの経緯、関係者、やりとりの記録(メール、LINE、請求書など)を整理しておきましょう。行政書士に依頼する際には、まず問題点の整理(請求すべき金額、主張すべき論点、相手の事情想定など)を共有することが重要です。
自分でできる対応としては、感情的な表現を避け、あくまで冷静かつ具体的に請求内容を整理した文書(催告書や督促書)をまず送付することです。支払期日や支払方法を明記することで、「相手に考える余地」を残す文面とすることがカギです。特に、通知を出す際には必ず記録が残る方法(書留・内容証明など)を選ぶようにします。
よくある失敗例は、感情的な文言を並べて相手を刺激してしまうこと、また最初から強硬な要求とともに訴訟代行をちらつかせる文面とすることです。そのような書面はかえって相手を硬化させ、対話の可能性を断ってしまいます。
専門家を選ぶ際のポイントとして、初期対応に強みのある行政書士かどうか、トラブル対応の実績があるか、コミュニケーションが取りやすいかを確認するとよいです。必要があれば、行政書士対応で進めつつ、相手方の反応や事態の深刻度を見ながら、弁護士へ移行する判断をすれば遅くはありません。
5. まとめと次のアクション
本記事では、トラブルの初期段階において、いきなり弁護士を立てることには相手を過剰に刺激し、紛争を法廷レベルへとエスカレートさせるリスクがあるという点をお伝えしました。むしろ、まずは行政書士を活用し、冷静かつ戦略的な書面対応を通じて相手との交渉可能性を探ることが、費用・時間・精神的負担の面で合理的な選択となることが分かりました。
今読まれているあなたができる次のアクションは、まず自分の手元にある関連資料(契約書、請求書、やりとりの記録など)を整理することです。そしてその資料をもとに、行政書士への初動相談を検討してみてください。相談の際には、トラブルの発生時期、相手方の対応状況、あなたの希望(支払を受けたい、越境をやめさせたいなど)を明確に伝えるとよいでしょう。
リーリエ行政書士事務所では、契約書や内容証明郵便の作成、主張整理、交渉準備文書の作成を得意としております。初期段階から受任し、丁寧に書面戦略を組み、相手とのやりとりを代行することが可能です。深刻化する前にまずはご相談ください。紛争解決の第一歩を、冷静な対応とプロの力で支援いたします。
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