機密情報の持ち出し対策!従業員トラブルに内容証明で警告する方法

リーリエ行政書士事務所です。企業経営において、従業員や退職者による「情報持ち出し」は極めて深刻なリスクの一つです。営業秘密や顧客情報などが無断で持ち出され、競合に流出したり、SNS等で公開されたりすれば、企業に多大な損害をもたらすことになります。

このような事態に直面した際、企業として早急に行うべき初動対応の一つが「内容証明郵便による警告通知」です。この記事では、情報漏えいリスクへの対策として内容証明をどのように活用すべきか、具体的な文面や法的なポイントを解説します。

この記事でわかること

  • 情報持ち出しに対する法的リスクと企業の対応策

  • 内容証明を送る目的と効果

  • 警告通知に記載すべき具体的な項目

情報の持ち出しに伴う法的リスク

営業秘密の不正使用は違法行為

営業秘密とは、秘密として管理されている技術情報や営業情報を指し、不正競争防止法により保護されています。これに違反して第三者に開示・利用すれば、刑事罰や損害賠償の対象となります。

情報を持ち出したのが現職の従業員でも、退職後の元従業員でも、法的責任を問うことは可能です。特に「競業避止義務」や「秘密保持義務」に関する契約が存在する場合、内容証明でその違反を警告することが重要です。

個人情報保護法にも注意が必要

顧客名簿や問い合わせ履歴など、個人が特定できる情報を外部に持ち出す行為は、個人情報保護法の違反となるおそれがあります。従業員が顧客データを自らの営業活動や転職先で利用する行為も違法となり得ます。

なぜ内容証明で警告するのか?

法的措置を示す企業の意思表示

内容証明郵便を使うことで、「企業は法的対応も辞さない構えである」と相手に強く伝えることができます。口頭やメールの注意と違い、書面で送ることで交渉の姿勢が一変するケースもあります。

内容証明は相手に対する正式な警告として機能し、行動の抑止効果も期待できます。

「通知した」事実を記録に残すため

内容証明郵便は、誰に・いつ・どんな内容を送ったかを公的に記録できる手段です。万が一訴訟に発展した場合でも、警告を行ったという証拠として裁判で提出することができます。

証拠保全の観点からも、内容証明は初動対応の段階で有効に活用すべき手段です。

内容証明に記載すべき具体的な項目

持ち出された情報の特定

どのような情報が、いつ、どのような方法で持ち出されたと判断しているのか、具体的に記載する必要があります。情報の種別(顧客リスト、業務マニュアルなど)や管理状況(パスワード付きファイル、社内サーバー内など)も明記します。

使用停止・返還要求

情報を今後一切使用しないこと、保有しているデータを削除・返還することを明確に要求します。これにより、被害の拡大を防ぎ、トラブルの早期収束を図ることが可能になります。

損害賠償や法的措置の検討を通告

持ち出し行為が継続された場合には、損害賠償請求や刑事告訴など、今後の対応を視野に入れている旨を通知します。必要に応じて、顧問弁護士や行政機関への相談を検討していることも記載することで、より抑止力のある文書となります。

書面送付後の対応と注意点

相手の反応に応じた対応を想定する

相手がすぐに謝罪・返還に応じる場合もあれば、無視・反論するケースもあります。相手の態度に応じて、次の対応(再通知、法的手続きの開始など)を検討します。

内容証明の送付だけで解決に至らないことも多いため、感情的にならずに冷静な対応を継続することが大切です。

証拠の保全を優先する

通知を送る前後で、社内のサーバー記録、入退室ログ、アクセス履歴など、情報持ち出しの証拠を可能な限り保全しておくことが重要です。書面だけでなく、事実を裏付ける証拠資料が後の交渉・訴訟において力を発揮します。

まとめ

情報持ち出しは、企業にとって信用と経済的損失の両面から深刻なリスクを伴う問題です。従業員や元従業員による不正行為に対しては、速やかに内容証明での通知を行い、使用停止や情報返還を求める対応が有効です。

また、書面でのやり取りは、後の紛争に備えた証拠としても機能します。内容証明は、単なる警告文ではなく、企業が正当な対応を取っていることを公的に示すための重要な手段です。

リーリエ行政書士事務所では、情報持ち出し問題に対応する内容証明郵便の作成や法的観点からの文案アドバイスも行っております。東京都江東区を拠点に、全国からのご相談にも対応しておりますので、企業法務や危機管理に不安がある場合は、ぜひ一度ご相談ください。

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