署名と押印の重要性と誓約書の効力を確保する方法

リーリエ行政書士事務所です。不倫や金銭トラブルの解決を図る際に活用される「誓約書」は、当事者間の合意内容を明文化する大切な書類です。しかし、誓約書を作成しただけでは、必ずしも法的な効力が発揮されるとは限りません。

特に、誓約書の信頼性を高めるうえで重要になるのが「署名」と「押印」です。これらがなければ、当人が本当に誓約したかどうかを後から証明することが難しくなります。逆に言えば、署名と押印が適切にされていれば、誓約書はトラブル時に有力な証拠となり得ます。

この記事では、誓約書における署名・押印の意義と、その効力を確保するための具体的な方法について解説します。

この記事でわかること

  • なぜ誓約書に署名と押印が必要なのか

  • 押印の種類とそれぞれの証明力

  • 誓約書の効力をより確実にする工夫

署名と押印がなぜ必要なのか

誰が合意したかを証明するため

誓約書の最大の役割は、当事者間で交わされた約束の内容を明確にし、後に争いが生じたときにその合意が存在したことを証明することにあります。署名と押印は、その合意が本人の自由意思によってなされたことを示す重要な要素です。

署名だけ、あるいは押印だけでは不十分である場合もあり、両方をセットで備えることで信頼性が高まります。

文書の真正性を担保するため

たとえば、誓約書の内容がパソコンで作成されたものであっても、最後に署名と押印があることで、文書全体が本人によって作られたことの証拠となります。仮に後日、相手が「そんな誓約書は知らない」と主張したとしても、署名と押印があれば反論の根拠として有効です。

押印の種類と証明力の違い

認印と実印の違い

日常的に使用される認印でも法的には有効とされることが多いですが、より強い証明力を持たせたい場合は、実印の使用を検討することが望ましいです。

実印とは、市区町村に登録された印鑑のことで、印鑑証明書とセットで使用することで、「本人が押した」という証拠能力が高まります。

サインと押印の併用がベスト

署名だけの場合、その人物が実際に書いたかどうかを証明するためには筆跡鑑定が必要になることがあります。また、印影だけでは誰が押したかを確認するのは困難です。

そのため、署名と押印の両方を併用することが、最も証拠能力の高い形式といえます。

印鑑の位置にも注意

押印する際は、署名の右側に押すのが一般的です。また、二重に押してしまったり、かすれていたりするとトラブルのもとになります。明瞭に押されていることが大切です。

誓約書の効力をより確実にする方法

内容を具体的かつ明確に記載する

効力を持たせるためには、誓約書の本文自体も重要です。「何を」「いつまでに」「どのように」行うのか、「違反があった場合はどうするのか」など、具体的に記載することで、文書としての説得力が増します。

抽象的な表現は避け、事実関係や約束内容を誰が見てもわかるように書くことが大切です。

誓約書を複数作成し、双方で保管する

誓約書は1通だけ作るのではなく、署名と押印のある原本を双方で1通ずつ保管することが望ましいです。後に「紛失した」「改ざんされた」といった主張を防ぐためにも、双方が同じ内容の文書を所持しておくことが必要です。

公正証書として作成する選択肢

誓約書の内容に、金銭の支払い義務や行動制限が含まれる場合は、内容を公証役場で「公正証書」にしておくことで、さらに効力を強化できます。公正証書には強制執行力があり、相手が約束を守らなかった場合に、裁判を経ずに財産を差し押さえることが可能になることもあります。

まとめ

誓約書は、単なる合意の証拠にとどまらず、トラブルの再発防止や当事者間の信頼回復のためにも有効な書面です。そして、その効力を確保するうえで、署名と押印は極めて重要な要素です。

署名と押印があることで、文書の真正性が高まり、後日「そんな文書は知らない」といった主張を排除する助けになります。加えて、内容を具体的にし、公正証書などの手続きを加えることで、誓約書の効力はさらに確かなものになります。

リーリエ行政書士事務所では、誓約書の作成における文案の整備から署名押印のアドバイス、公正証書化の支援まで対応しております。東京都江東区を中心に、全国からのご相談にも対応しておりますので、必要な方はいつでもお問い合わせください。

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