誓約書を自分で作成する方法とやってはいけない行為

リーリエ行政書士事務所です。不倫や金銭トラブルなどの問題が発生した際に、当事者間で話し合いがまとまり、「誓約書を作成しよう」となるケースは少なくありません。実際、誓約書は法律の専門家でなくても自分で作成することが可能です。

しかしながら、内容の記載方法や手続きの流れに不備があると、せっかく作成しても法的効力が弱くなったり、相手から無効を主張されるリスクがあります。また、作成時にやってはいけない行為が含まれていると、かえってトラブルを悪化させてしまう恐れもあります。

この記事では、誓約書を自分で作成するための基本的なステップと、避けるべき注意点をわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • 誓約書を自分で作成する基本的な流れ

  • 自作する際に気をつけるべき項目

  • 無効とされる誓約書の典型例

誓約書を自分で作成する手順

作成前に内容を整理する

誓約書は、当事者間の合意を文章で明確に示す書類です。まずは、何を約束するのか、どのような行動を制限するのか、金銭の支払いがあるかどうかなど、具体的な内容を整理することが大切です。感情的になっている場合は一度冷静になり、合意に至ったポイントを客観的に洗い出しましょう。

書面に盛り込むべき基本項目

誓約書を作成する際には、次のような情報を明確に記載する必要があります。

  • 誓約する当事者の氏名・住所

  • 不貞行為や金銭貸借などの事実関係

  • 謝罪や再発防止の意思表示

  • 今後の行動に関する誓約内容(接触禁止、情報漏洩禁止など)

  • 違反時のペナルティ(慰謝料や違約金など)

  • 作成日

  • 署名と押印

このように、誰が、何を、どのように、どこまで約束するのかを明確にし、後で「そんなつもりではなかった」と言われないような構成にします。

書式は自由だが、分かりやすさが重要

誓約書には法的に決まった書式はありません。パソコンで作成しても、手書きでもかまいません。ただし、あまりに形式が雑だったり、読みづらい内容だと、約束の内容が不明確になり、証拠能力が弱まる可能性があります。

文言は簡潔で分かりやすくし、段落や条項ごとに内容を整理するのが望ましいです。

誓約書作成時にやってはいけない行為

脅迫や強要によって書かせる

誓約書を作成する場面では、感情的な対立が生じていることも多いため、相手に強い口調で署名を迫ってしまうケースがあります。しかし、脅迫や精神的圧力を与えて無理やり署名させた場合、その誓約書は後に「無効」と判断される可能性があります。

誓約書は、当事者が自らの意思で内容を理解し、納得したうえで作成される必要があります。たとえ相手に非がある場合でも、冷静な姿勢を保ち、合意形成を丁寧に進めることが重要です。

公序良俗に反する内容を記載する

たとえば、「違反したら1,000万円支払う」といった常識を逸脱した金額の違約金や、「一切の交友関係を絶て」といった過度な制限は、公序良俗に反するとして無効とされる可能性があります。

現実的かつ社会通念上受け入れられる内容にとどめることが、誓約書の効力を保つうえで必要不可欠です。

契約と誤解される表現や形式を用いる

誓約書は一方的な意思表示を基本とした書類です。誓約書の中に「甲は乙に対して〇〇を支払う」など、双方の契約と誤認される表現が含まれてしまうと、示談書や合意書との違いが曖昧になってしまいます。

誓約書はあくまで、「誓約する側」が一方的に内容を認めて約束するスタイルで作成するのが原則です。

誓約書を確実な証拠にするための工夫

署名と押印を忘れずに

本人の署名と押印がない誓約書は、たとえ内容が正確であっても、その人が本当に同意したのか証明できなくなります。印鑑は、できれば実印を使い、可能であれば印鑑証明書も添付しておくと、より証明力が高まります。

公正証書にすることで強制力を持たせる

重要な金銭の支払いなどが誓約書の内容に含まれる場合、誓約書をそのまま公証役場に持ち込み、公正証書として作成することも検討できます。公正証書にしておけば、相手が約束を守らなかった場合に、裁判手続きを経ずに財産を差し押さえることも可能になります。

まとめ

誓約書は、自分自身で作成することができる実用的な書類です。特に、不倫や金銭トラブルなどの場面では、早期に誓約内容をまとめておくことが、後のトラブル防止に役立ちます。

ただし、誓約書は作成すれば自動的に効力を持つものではありません。内容が曖昧であったり、強制的に書かせたものであれば、その効力が認められないこともあります。また、公序良俗に反する内容を盛り込んでしまうと、逆に訴訟トラブルの火種になることもあります。

不安がある場合は、行政書士や弁護士といった専門家の助言を受けることをおすすめします。リーリエ行政書士事務所では、誓約書の文案作成や内容チェック、公正証書化のサポートなども行っております。東京都江東区を中心に、全国からのオンライン相談にも対応しておりますので、必要な方はお気軽にお問い合わせください。

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