ココナラ出品者が注意すべき契約トラブルとその防止ポイント

オンライン上でスキルやサービスを提供する手段として、ココナラのようなプラットフォームは多くの人に活用されています。とくに副業やフリーランスとして活動を始めたばかりの方にとって、手軽に収入を得られる点が魅力です。

しかしその一方で、契約内容をめぐるトラブルに巻き込まれるケースも少なくありません。「話が違う」「追加料金がかかるとは思わなかった」「修正に何度も応じさせられて困っている」といった声は、出品者から多く寄せられる問題です。

リーリエ行政書士事務所では、契約書の作成や内容証明郵便の作成を通じて、ネット上の取引に関するトラブルの予防と解決を支援しています。この記事では、ココナラ出品者が注意すべき契約トラブルの典型例と、防止するための実践的なポイントを紹介します。

この記事でわかること
・契約トラブルが起こる場面とその理由
・事前にできる契約トラブルの防止方法
・トラブル発生時に備えておくべきこと

契約トラブルが起きやすい背景

曖昧な同意が契約トラブルを生む

契約とは、サービスの内容や報酬、納期などについて当事者間で合意が成立することで成立します。紙の契約書がなくても、チャットやDMのやり取りが事実上の契約とみなされることは珍しくありません。

しかし、多くの出品者は「プロフィールやサービス説明に書いておけば大丈夫」と考えてしまいがちです。実際には、購入者の読み取り方や解釈の違いによって、同じ内容でも受け取り方が変わってしまいます。

形式よりも内容が重視されるココナラの仕組み

ココナラでは、形式的な契約書よりも、やり取りの内容や証拠が重視されます。たとえ「サービス内容に○○を含まない」と書いていても、トークルームで「対応できます」と伝えてしまえば、それが優先されるケースもあります。

したがって、サービス提供の前段階で、細かい確認と明示的な同意を取り交わすことが、トラブルを未然に防ぐうえで極めて重要です。

よくあるトラブル事例とその経緯

納品後のキャンセル要求

デザイン制作を依頼された出品者が、納品した後に「イメージと違う」としてキャンセルを求められました。出品者は「キャンセル不可」との認識でしたが、トークルーム内の説明が不十分だったため、運営判断では購入者側に有利な対応が取られました。

このようなケースでは、作業開始前に「キャンセル不可」の旨を文面で明確に伝えておくことが不可欠です。

追加料金に関する認識の食い違い

あるライターが、基本プランでは800字までの記事作成を提供していたところ、購入者から「1,200字でお願い」と言われ、了承して作成。しかし、後から追加料金を請求したところ、購入者は「それなら事前に説明すべき」と反発しました。

このような問題を防ぐには、「字数超過は追加料金が発生する」と、あらかじめサービス説明に明記しておく必要があります。

修正の範囲を巡るトラブル

ロゴデザインの依頼において、「修正は2回まで」と書いていたにもかかわらず、3回目以降も無料で対応するよう求められた事例があります。購入者は「微調整程度なら回数に含まれないと思った」と主張し、出品者との間で認識が食い違いました。

このような場合は、「修正の定義(例:構成変更は含まない)」や「大幅な変更は追加料金の対象」など、具体的な線引きを記載することが効果的です。

行政書士が教える予防策と対応方法

サービス説明文でトラブルを防ぐ

サービスページでは、「何をするのか(Do)」「何をしないのか(Don’t)」を明確に書くことが基本です。「修正2回まで無料」「構成変更不可」「商用利用は追加料金」など、細かく書くことが誤解を防ぎます。

DM・見積もり相談で最終確認を

「ご購入前にDMでご相談ください」と記載し、納期や作業範囲、追加料金の可否などをあらかじめやり取りしておくことが重要です。その際の記録はトラブル時の証拠にもなります。

トークルームのやり取りを契約書代わりに

正式な契約書がなくても、トークルームでのやり取りは法的な証拠となります。納期、修正範囲、キャンセル可否などについては、文面で「確認し、了承を得る」ステップを忘れないようにしましょう。

まとめ:契約の意識が信頼を築く鍵になる

ココナラで安心して活動を続けるためには、トラブルを想定した事前準備が欠かせません。契約トラブルの多くは、「きっとわかってくれるだろう」という期待や、「言わなくても当然」という思い込みから生じます。

出品者として信頼を得るためには、ルールを明確にし、それを丁寧に説明する力が必要です。文章で残すことで、万が一トラブルになったときにも、自分を守る証拠になります。

リーリエ行政書士事務所では、こうした個人間取引における契約文案の作成や、トラブル発生時の対応(内容証明の送付、契約文のレビューなど)に対応しています。特に副業や個人事業として活動する方にとって、専門家のサポートは強力な安心材料となります。

「契約書がなくても大丈夫」ではなく、「だからこそ記録を残す」という意識が、安心・安全な取引を実現します。今後もトラブルを避けつつ、ココナラで自信を持ってサービス提供を続けるための一歩として、契約の明確化を習慣にしていきましょう。
詳しくは こちらのサイト をご覧ください。