パートナーのLINEを“こっそり”見たらどうなる?――思わぬ法的リスクと正しい対処法
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スマホを覗いた“その瞬間”がトラブルの始まり
パートナーのスマホに表示されたLINE通知。浮気を疑う気持ちから「一度だけ」「確認のため」といった軽い気持ちでメッセージを開いてしまう方は少なくありません。しかし、その一瞬の行為が、後に大きな法的トラブルに発展する可能性があることは、あまり知られていません。LINEは私的な通信手段であり、本人の同意なく開くことはプライバシー権の重大な侵害にあたります。
東京都江東区のリーリエ行政書士事務所には、「パートナーのLINEを見てしまったが問題になるか不安」「浮気の証拠に使いたいが法的に問題ないか」といったご相談が多く寄せられています。この記事では、LINEの覗き見がもたらす法的リスクと、問題が発覚した際の適切な対処方法について詳しく解説します。
この記事でわかること
- LINE覗き見が不法行為と評価される理由
- 慰謝料請求につながりやすい典型パターン
- トラブル発覚後に取るべき行動と専門家活用法
なぜ“少し覗くだけ”が違法になり得るのか
LINEのやり取りは、極めて私的で個人的な情報の集まりです。内容には仕事上のやり取り、家族や友人との会話、個人の思想信条などが含まれている場合もあります。そのため、たとえ夫婦や恋人という関係であっても、相手の同意なしに閲覧することは、重大なプライバシー権の侵害に該当します。
民法では、他人の権利や法律上保護される利益を侵害した場合、不法行為として損害賠償責任が発生します。LINEの覗き見によって精神的苦痛を与えたと判断されれば、慰謝料請求を受けることがあります。
さらに、パスワードを使用して相手のLINEにログインした場合、不正アクセス禁止法に違反する可能性もあります。この法律は、本人の許可なく他人のアカウントにアクセスすることを禁じており、場合によっては刑事罰の対象にもなり得ます。
また、違法に取得した情報は、裁判で証拠として認められない可能性もあります。たとえば離婚調停において、LINEのスクリーンショットを証拠として提出しても、取得方法が不適切と判断されれば証拠価値が否定される恐れがあります。このように、正義感からの行動であっても、結果的に自分に不利な状況を招くリスクがあるのです。
リスクが高まる“典型パターン”3選
ケース1 パスワードを使い本人不在時にログイン
誕生日や記念日など、推測しやすいパスワードを利用してLINEにアクセスした場合、不正アクセス禁止法違反に問われる可能性が高まります。たとえ知っているパスワードであっても、相手の同意なく使用すれば不正アクセスとみなされるからです。また、ログイン後にメッセージを閲覧・保存した場合、悪質性が強いと評価されやすくなります。
ケース2 ロック無設定のスマホを“つい”操作
リビングに置かれたスマホが無防備に放置されており、画面が開いたままだった場合、「見てしまっただけ」と考える方もいます。しかし、法的には本人の許可なく開いた時点でプライバシー侵害とされます。この行為が信頼関係を損ね、離婚原因や慰謝料請求につながるケースもあります。
ケース3 共有PCに残ったセッションで閲覧継続
家庭で使っている共有パソコンにログインしたままのLINEアカウントがあり、パートナーがいない隙にそのままメッセージを閲覧・保存したケースです。一時的な閲覧ではなく、継続的にチェックしスクリーンショットを保存するなどすると、「計画的かつ悪質な行動」として、慰謝料額が大幅に上がる可能性があります。
これらのパターンに共通して言えるのは、「正当な目的」があっても、「不適切な手段」であれば違法とされるという点です。特に、証拠として使いたい場合は慎重な判断が求められます。
バレた・揉めたときの5ステップ
もしもLINEをこっそり見たことが発覚してしまった場合、以下のような対応を取ることが重要です。
- 即時の誠実な謝罪 相手の気持ちを無視した行動であったことを認め、誠意を持って謝罪することが関係修復の第一歩です。
- 閲覧理由を冷静に説明 感情的にならず、不安や疑念といった背景を丁寧に説明し、誤解や敵意を招かないよう努めます。
- 証拠化を諦める勇気 不適切に取得したLINEの内容を証拠として使うことは避けるべきです。代わりに、合法的な方法での証拠収集を専門家に相談することが重要です。
- 行政書士への相談 早い段階で行政書士に相談することで、問題の深刻化を防ぐことができます。示談書や合意書の作成、LINE閲覧をめぐるトラブルの整理など、法律的な視点からサポートが得られます。
- 必要に応じた弁護士連携 トラブルが慰謝料請求や離婚訴訟に発展しそうな場合、早期に弁護士のサポートを得ることで、金銭的・精神的な負担を最小限に抑えられます。
まとめ 関係修復の鍵は「尊重」と「合法的な証拠戦略」
パートナーのLINEをこっそり見た行為は、軽い気持ちだったとしても重大な結果を招く可能性があります。プライバシーの侵害、慰謝料請求、さらには離婚や刑事罰など、法的・精神的・社会的に多大なダメージを受けかねません。
疑念を持ったとき、まず大切なのは「対話」と「尊重」です。感情にまかせて違法な手段に走るのではなく、冷静に、そして合法的に解決を目指す姿勢が必要です。
リーリエ行政書士事務所では、パートナーとのトラブルを抱える方に向けて、下記のようなサービスを提供しています。
- 初回相談による状況の整理
- 合法的な証拠収集のアドバイス
- 示談書や合意書、離婚協議書の作成
- 弁護士や調査会社との連携支援
LINEをこっそり見た後悔から関係を再構築したい方、あるいは慰謝料請求を回避したい方は、まずは一度ご相談ください。
法律に触れず、関係修復を図るための最善策を、私たちと一緒に探っていきましょう。
