副業の報酬未払いを防ぐ契約書の書き方
「副業でデザインを受けたのに、報酬が振り込まれない」
SNSやクラウドソーシングを通じて気軽に仕事が受けられる時代ですが、その一方で「仕事をしたのにお金がもらえない」という相談がリーリエ行政書士事務所(東京都江東区)にも増えています。
特に20〜40代の方々は、副業としてWeb制作やイラスト、文章作成などを請け負う機会が多く、書面による契約を省略しがちです。しかし、口約束で仕事を引き受けた結果、トラブルになるケースも。
この記事では、副業で報酬未払いを防ぐために必要な契約書の基本と、簡単に実践できる予防策をわかりやすく解説します。
Contents
この記事でわかること
- 雇用と業務委託の違いと副業との関係
- 報酬未払いが起こる典型的な事例
- 簡易契約書に盛り込むべき基本項目
- トラブルを避けるための注意点
【雇用?業務委託?副業に関わる契約の基本】
副業として仕事を受ける際、最も大事なのが「契約形態の確認」です。副業の多くは「業務委託契約」に該当し、「雇用契約」ではありません。
雇用契約では、労働時間や勤務場所が定められ、報酬未払い時にも労働基準法による保護があります。一方、業務委託契約は、仕事の完成や成果に対して報酬が支払われる契約で、労働者としての保護が及ばず、トラブル時も自力での対応が必要です。
この違いを理解しないまま「バイト感覚」で受けてしまうと、「納品したのに支払われない」「条件が後から変えられた」といった不利益を受けることになります。
また、「契約書がない場合でも証拠があれば請求できる」という考えは間違いではありませんが、メールやSNSのやり取りだけでは、業務内容や報酬条件が曖昧になりがちです。
【口約束でデザイン業務を請け負った結果】
20代の女性がSNS経由でロゴデザインの依頼を受けた事例。
「3案作って5,000円支払う」というメッセージのやり取りのみで業務を開始。依頼者の要望に応じて複数案を作成し、データも納品済み。しかし支払い期日になっても振込がされず、催促しても連絡がつかなくなってしまいました。
相談を受けたリーリエ行政書士事務所では、当事者のやり取り内容を整理し、内容証明郵便による支払い請求を行いました。しかし、報酬額や納品内容に関しての合意が証拠として不十分で、法的措置に踏み切るのは難しいケースとなりました。
このような事態を避けるには、たとえ金額が少額でも、最低限の契約内容を文書で残すことが非常に大切です。
【誰でも使える簡易契約書の基本項目】
副業で業務を受ける際には、以下の項目を含んだ簡易契約書を作成しておきましょう。
- 契約当事者の氏名・連絡先
- 業務の内容(納品物の種類・形式など)
- 報酬額と支払い方法(振込期日など)
- 納品期限と成果物の確認方法
- トラブル時の対応(支払い遅延やキャンセルなど)
これらはWordやGoogleドキュメントで簡単に作成可能です。また、クラウドサインや電子契約サービスを使えば、対面での署名なしに締結することもできます。
契約書とまではいかなくても、PDFで作成した内容を相手に確認させ、合意の返信をもらうだけでも効果は大きいです。証拠として残る文面にしておくことで、トラブル発生時の交渉材料になります。
【まとめ:契約書は副業を守る安心ツール】
副業は自由で柔軟な働き方を可能にする一方、自己責任でリスクに対応しなければなりません。
報酬未払いのようなトラブルに巻き込まれないためにも、口約束ではなく、きちんと契約内容を書面に残すことが必要です。契約書は相手を疑うためのものではなく、自分の権利を守るための道具です。
リーリエ行政書士事務所では、副業契約のチェックや契約書の作成サポート、未払い時の対応など、実務に即した支援を行っています。
「副業をもっと安心して続けたい」「過去にトラブルがあって不安」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
