口約束だけで大丈夫?契約書の重要性と対策
「友人だから大丈夫」「口約束で十分」そんな気持ちでお金を貸した結果、返ってこないまま関係も壊れてしまった——。
東京都江東区のリーリエ行政書士事務所には、個人間の金銭貸借トラブルの相談が日々寄せられています。特に20代から40代の方は、友人・恋人・家族といった近しい関係の中で、お金のやり取りに関する書面の重要性を見落としがちです。
この記事では、契約書や借用書の違い、最低限記載すべきポイント、実際のトラブル事例を交えて、「紙に残すこと」の大切さをわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 契約書と借用書の違いと使い分け
- ありがちな金銭トラブルのパターン
- 借用書に必ず入れるべき4つの項目
- 自分でできる予防策と対処法
【契約書と借用書の違いとは】
金銭の貸し借りに関してよく出てくる「契約書」と「借用書」。この2つは似ているようで、実は使い方や目的に違いがあります。
契約書は、貸主と借主の双方が内容に合意し、署名・押印する「双方向の約束」を記した文書です。一方、借用書は借主が一方的に「借りた」「返す」と表明するもので、証拠としては有効ですが、契約書に比べて詳細な条件が省かれていることもあります。
この違いを理解せずに、借用書だけで済ませてしまうと、後々「いつまでに返すのか」「分割でもいいのか」など、争点になりやすい点が曖昧なままとなります。
また、よくある誤解として「メールやLINEでやりとりしていたから証拠になる」と思われがちですが、こうした電子的な証拠は後から改ざんされたと主張されることもあり、裁判では不利になる可能性もあります。
【返済期限を書かなかったばかりに】
例えば、30代の男性が友人に50万円を貸したケース。二人は古くからの友人関係にあり、「返せる時でいいよ」と気軽に貸してしまいました。証拠として残っていたのは「ありがとう!必ず返す!」というLINEのメッセージのみ。
しかし半年経っても返済されず、催促すると「今は無理」と返されるばかり。ついに痺れを切らして内容証明を送るも、「期限を決めてなかったから返せる時に返すと言ったはず」と反論され、話し合いが平行線に。
結局、少額訴訟にまで発展しましたが、返済期限の明示がなかったことがネックとなり、裁判所も強制的な返済命令を出すのが難しい状況に。
このように、「返済の期限」「利息の有無」「返済方法」などを明記していないと、善意が裏目に出てしまうのです。
【借用書に書くべき4つの基本項目】
個人間でお金を貸す際に、最低限書いておくべき項目は次の4つです。
金額と貸付日:何円を、いつ貸したか
返済期限:いつまでに全額を返すのか(分割の場合はスケジュールも)
利息の有無:利息がある場合は、その率と計算方法を明記
署名と押印:借主の自署と認印があれば、証拠としての信用が増します
また、可能であれば貸主も署名しておくと、双方の合意があったことの証明になります。手書きでなくても、ワードで作成しプリントアウトしたものでも構いません。
トラブルを避けるためには、「どう書くか」以上に、「書くことをためらわない」姿勢が重要です。仲の良い関係だからこそ、トラブルになったときのダメージも大きくなります。
【まとめ:お金のやりとりは「書面化」が常識】
お金の貸し借りは信頼関係があってこそ成立します。しかしその信頼を守るためにも、「言った」「言わない」の争いを防ぐための備えが必要です。
契約書や借用書といった書面を交わすことは、相手を疑う行為ではなく、お互いの信頼を確認する手段でもあります。
リーリエ行政書士事務所では、個人間の金銭貸借に関する契約書や借用書の作成サポート、内容証明の送付など、トラブル予防と対応を一貫してサポートしています。
「ちょっとした貸し借りだけど心配」という方も、ぜひお気軽にご相談ください。
