退職代行が流行したのは理由について、行政書士がお伝えします!
5月のゴールデンウィークなどの大型連休が明けると、いろいろな変化が生じます。
週明けの月曜日を前にすると、心理的な部分で違いが出てくるからです。
この時期になると、ご存じのように退職に関するご相談が増えていきます。
5月病などと呼ばれるケースもありますが、仕事を辞めたいと考える人が増えるのです。
よくいわれることですが、会社に行かない日が少し長く続くと、人間の心理に変化が生まれます。
もともと抱えていた職場に対する嫌悪感が強まるのです。
そこからもう辞めたいという気分になってくるというのが5月病の正体といわれてきました。
忙しいと考える暇はないけれど、大型連休になって一息ついたときに考えてしまうわけです。
いろいろな人と接触しやすい時期で、話を聞いている間に嫌気がさすということもあるでしょう。
月末、年末、年度末など、区切りの良い時期も、退職に関するご相談が増えます。
嫌な会社なら辞めてしまい、区切りに合わせて心機一転さっぱりしたいと思う方が多くなるのかもしれません。
月の中旬ぐらいも相談件数が増えていきます。
月末で辞めて、月初めから新しい職場で働き始めることを前提にしているケースが大半です。
月末からさかのぼっていくと、2週間前あたりから準備したいということになるのでしょう。
当然ですが、生きていくために仕事が必要になる以上、次の職場の準備にも移りたいからです。
「他人に退職の連絡を頼む」
いったいどんな人が利用するのかと思うかもしれません。
「今どきの無責任な若者がバイトを辞めるサービス」という認識の人も多いのは事実です。
ですが、そんな人ばかりではありません。
それどころか、現代の深刻な問題を浮き彫りにしているともいえるからです。
男女比で見ると、男性が多い状況です。
割合でみるとだいたい男性:女性=2:1ぐらいになっています。
女性の社会進出という点でも、女性の割合が増えてきているといえるかもしれませんし、正社員が多いことも一因になるでしょう。
居住地で見ると、依頼される方は全国です。
海外のケースも増えてきました。
年代は10代が約1%、20代が約28%、30代が約30%、40代が約2%、50代以上が約7%です。
年齢が不明な場合もありますが、40代以上が約28%を占めているところに注目しなければいけません。
退職代行とは、「現代の若者が使うサービス」とは限らないのです。
それどころか、年齢的にもある程度の地位、役職の人が多いと思いませんか?
正社員と非正規社員で見ると、圧倒的に正社員です。
全体の約75%が正社員であるデータがあることから見ても、パートアルバイトよりも辞めにくい状況があることを示しています。
これは、私が弁護士であることも影響しているかもしれません。
サービス料金を見ると、弁護士であるため、ほかの業者よりも高めであり、パートアルバイトで気軽に使えない可能性もあるからです。
勤続年数は1年以下が約27%、1年超~3年以下が約2%、3年超~10年以下が約33%、10年超が約1%です。
勤続10年以上のベテランが多いことにも気が付くでしょう。
慣れてきたころの人達は、思った以上に少ないのです。
人手不足が背景にある中小企業ばかりかと思われがちですが、実際にはそうでもありません。
大手企業の役職につかれている方も利用されているからです。
このようなデータを見ると、無責任に辞めたい人が利用するサービスではないことがわかるでしょう。
辞めたくても辞められない。
そこまで切羽詰まって利用される方が多いのです。