取引相手等から不当な要求があった場合の対応方法を、行政書士がお伝えします!

はじめに

ビジネスの場面等においては残念ながら、無茶な要求をしてくる取引先や過度なクレームを言いつけてくる消費者に出会ってしまうことがあります。

本コラムでは、こうした取引相手等から不当な要求・クレームがあった場合の対処方法についてお伝えします。

取引相手等から不当な要求・クレームがあった場合には、以下の3点を意識してみてください。

1 相手の話を深く聞く

まずは、取引相手等が伝えてきたクレーム内容や要求について、よく内容を聞くことが大切です。

相手の主張のうち、どこまでが正当な要求であり、どこからが度を超えたクレームにあたるのか、自分の中で整理をしましょう。

後に述べる法令違反の主張においても、その認定に用いる事実をしっかりと把握することは、最も重要なポイントとなります。

また、話をしっかり聞く姿勢を見せることで、取引相手等が納得してくれる場合も多々あります。

「クレーマーの話は聞かない」などと思わず、まずは相手の話をしっかりと聞くことを心がけましょう。

2 自分を守ってくれる法律を理解する

日本には、適切かつ健全なビジネス環境を守る観点から、不当な要求やクレームの受け手を保護する法律がたくさん存在します。

一例として、以下のような法律を挙げます。

  • 不法行為に基づく損害賠償責任(民法709条:権利侵害行為全般)
  • 名誉毀損罪(刑法230条1項:会社や従業員の名誉等を傷つけた場合)
  • 侮辱罪(刑法231条:会社や従業員の名誉等を傷つけた場合)
  • 偽計業務妨害罪(刑法234条:虚偽の情報を流して業務を妨害した場合)
  • 威力業務妨害罪(刑法234条:暴行強迫により業務を妨害した場合)
  • 軽犯罪法違反(軽犯罪法1条5項:乱暴な言動で他の客に迷惑をかけた場合など)
  • 優越的地位の濫用(独占禁止法19条ほか:立場の弱い取引先に対して、不当な要求等を行った場合)
  • 下請法違反(委託先に対して、規模の大きい委託元が、不当な要求等を行った場合など)
  • 不正競争防止法(競争相手の営業秘密を漏洩したり、信用を棄損した場合など)

このように、クレームに対して適用できる法律は、あなたがどのような行為を受けたのかによって大きく変わってきます。

そして「どのようなケースで、どんな法律が実効性を有するかたちで適用できるのか」という判断には、横断的かつ深い法律知識と実務経験が必要になります。

したがって、一度、弁護士や行政書士など法律の専門家に相談するのが良いでしょう。

3 違反する法律に対応した第三者機関を使用する

違反する法律がわかった場合、あなた自身が直接クレーマーと交渉することもできますが、加えて、第三者機関の利用を必要に応じて検討しましょう。

たとえば、

  • 刑法に触れる可能性がある場合は警察に相談する
  • また行政機関が設置している窓口に相談する。
    (独禁法、下請法違反であれば公正取引員会や中小企業庁など)
  • 権利侵害等による損害賠償について、弁護士や行政書士などの専門家から内容証明郵便を出してもらう

など、クレームの類型にもよりますが、第三者を利用することで実効性のある問題解決が期待できる場合があります。

まとめ

今回は「取引相手等から不当な要求・クレームがあった場合の対処方法」について、お伝えしました。

事案に応じた内容証明郵便等の作成をご検討される場合には、行政書士などの専門家にご相談されることをおすすめします。

弊所は、LINEでお気軽にお問い合わせできますので、何かお困りの場合は、遠慮なくお申し付けください!