企業と従業員がトラブルになる場面

はじめに

会社で働いていると、企業と従業員とがトラブルになる事態が起こりえます。
近年、働き方改革が進められている影響や、インターネットで簡単に労務に関する知識が手に入るようになった影響から、会社に対して従業員が労働問題を指摘するケースが増えているように思います。
また、こうした労働問題は社会的にも大きな関心ごととなっており、一度労働問題が発生してしまった企業の価値は大きく低下してしまいます。
本コラムではこうした、「企業と従業員がトラブルになる場面」について、簡単に解説していきます。

会社と従業員の間のトラブル3選

以下では、会社と労働者の間で頻発するトラブルについて3つご紹介します。

①賃金に関するトラブル

会社と従業員との間のトラブルで最も多いと思われるものは、賃金に関するトラブルです。
具体的には、経営不振による給与未払いや残業代の不払い、業績悪化による賃金カットなどがあります。
賃金の未払いは労働基準法違反であり、罰金刑も定められています。
また、給与の未払いが発生した場合は、給与をしっかりと払っていれば支払わずに済んだ、遅延利息や賠償金の支払いが必要になることがあります。
さらに、従業員から訴訟を起こされれば、企業イメージの低下は免れません。

②労働災害トラブル

従業員が業務に起因して怪我をしたり疾患を患ったりした場合は、労働災害として認められることがあります。
業務中の事故やケガにとどまらず、長時間労働やハラスメントによる精神疾患も含まれる場合があります。
従業員のケガ等が労働災害と認められた場合は、会社は補償金を支払わなければなりません。
また近年では、特に死亡事故など重大な労働災害が発生した場合、労働安全衛生法違反として刑事責任が問われることも多くなっています。
その他労働災害は、貴重な人材を失う労働力観点のダメージや、労働災害の公表に伴うレピテーションリスクなどの弊害をはらんでいます。
労働災害に該当しそうなトラブルが発生した場合は、自らで判断を進めるのではなく、労働災害の認定に詳しい弁護士などの専門家に必ず相談することをお勧めします。

③解雇に関するトラブル

近年増加しているトラブルとして、解雇に関するトラブルがあります。
労働基準法により、労働者を解雇できる場面は限定されています。
しかし、「些細な理由で解雇がなされた」「解雇通知などの手続きが適切に行われなかった」「解雇予告手当が適切に支払われなかった」などの事情により、解雇された従業員紛争が生じてしまうケースが起こり得ます。
仮に解雇が無効と判断された場合、企業は従業員が得られたと考えられる給与分の支払いをしなければならないなどの対応を迫られます。また、不当解雇の公表に伴うレピテーションリスクなどの弊害もあります。
したがって、たとえ従業員側に問題があると判断した場合においても、解雇については専門家の判断を重視しながら慎重に対応を進めていきましょう。

まとめ

本ページでは「企業と従業員がトラブルになる場面」について、簡単にお伝えいたしました。
企業と従業員との間のトラブルを防ぐためには、しっかりとした就業規則の策定や、労務制度の周知が必要となります。特に就業規則の整備については、法的見地から適切な表現を行う必要があるため、労働法に明るい法律専門家のバックアップが必須となるでしょう。
企業と従業員間のトラブルをあらかじめ回避する観点からも、事前に、社会保険労務士、行政書士、弁護士などの労働法の専門家にご相談されることを強くおすすめします。

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