行政書士に告訴状の作成を依頼する費用の相場は?選び方は?

はじめに

こんにちは、東京深川行政書士事務所です。

刑事事件の被害者になってしまった場合に、警察に捜査をしてもらうきっかけをつくるために刑事告訴をするという方法があります。

刑事告訴をする際に警察に提出する書類が告訴状であり、告訴状は行政書士の独占業務です。

本記事では行政書士に告訴状の作成を依頼するための費用の相場と、告訴状作成を依頼する行政書士の選び方に
ついてお伝えします。

告訴状とは

まず、告訴状とはどのようなものか確認しましょう。

告訴状とは、捜査機関に対して刑事告訴をする旨の書面をいいます。

刑事訴訟法第241条第1項は「告訴又は告発は、書面又は口頭で検察官又は司法警察員にこれをしなければならない」としています。

これを受けて作成される書面が告訴状です。

告訴(刑事告訴)とは

そもそも告訴とはどういうものなのでしょうか。

刑事告訴とは、司法警察員・検察官に対して犯罪の事実を申告し、国によって処罰を求める刑事訴訟法上の意思表示をいいます。

刑事訴訟法230条以下に規定されているもので、名誉棄損罪などの、被害者の刑事告訴がなければ罪に問えない事件などでは、刑事告訴をする必要が生じます。

刑事告訴があると捜査機関は必ず捜査を行って、起訴・不起訴を決めなければならない義務があり、加害者に対する刑事処分の可能性が高まります。

告発との違い

告訴とよく似た用語に告発(刑事告発)があります。

告訴とは刑事事件の被害者等の告訴権者が行うものをいいます。

一方で告発は、被害者ではない一般市民によってなされるものです。

犯罪の被害者等が警察に対して提出する書面として、告訴状のほかに被害届があります。

被害届とは、犯罪事実の申告をするにとどまるもので、加害者に対する意思表示までは含まないものです。

そのため、被害届を受け取ったとしても、捜査をして起訴・不起訴を決める義務は捜査機関に発生しません。

刑事告訴を行政書士に依頼する費用相場

刑事告訴を行政書士に依頼する場合の費用の相場として、日本行政書士連合会が行っている令和2年度報酬額統計調査の結果では次の発表がなされています。

内容金額平均
  65,059円
最小値10,000円
最大値220,000円
最頻値50,000円

最頻値が50,000円、平均が65,059円となっていることから、最小値の10,000円のように最頻値の50,000円から低くなるような事例は稀で、多くが50,000円~というのが相場となります。

50,000円を基本として、事案が複雑になると数万高くなる可能性があると考えるのが良いでしょう。

告訴状の作成は行政書士に任せたほうが良い?

告訴状の作成は行政書士に任せたほうが良いのでしょうか。

告訴状の受理のハードルは非常に高い

実は告訴状が受理されるためのハードルは、実務上非常に高いことで知られています。

告訴状の受理を拒否することは法律ではできないとされているのですが、実際は民事不介入・証拠が不十分・管轄がここではない、などの理由をつけて事実上の拒否を行います。

これは、告訴によって捜査をする義務が生じるため、警察の負担が増えるためであるとされています。
そのため、専門家に依頼すべきです。

弁護士に依頼する場合の費用差は?

弁護士に依頼する場合には、弁護士報酬の目安となる(旧)日本弁護士連合会弁護士報酬基準が参考になります。

よくある価格帯としては30万円程度が相場です。

業務範囲が書面の作成・提出に限られるとはいえ、弁護士に依頼するよりも行政書士に依頼するほうが割安です。

行政書士の選び方

行政書士を費用だけで選ぶと、一通りの告訴状を作成して、あとは関係ないというような行政書士に依頼してしまうと、費用はかかったけども告訴状の受理はしてもらえなかったということになりかねません。

刑事告訴で行政書士を選ぶ際には、費用だけではなく、粘り強く告訴状の受理に向けて協力してくれるか、刑事事件の被害者の救済に熱意があるかといった点からも検討しましょう。

まとめ

本ページでは、行政書士に告訴状の作成を依頼する場合の費用の相場や、行政書士の選び方などをお伝えしました。

告訴状を受理してもらうことはハードルが高く、しっかりとした告訴状を作成するためには、行政書士の手を借りることをお勧めします。