トラブルの解決には公正証書が効果的 作成に関する相談は行政書士にお任せ!

はじめに

こんにちは、東京深川行政書士事務所です。

公正証書とはどういうものなのでしょうか。

公証役場を利用したことがある方には、もちろん理解できることでしょうが、生きていて生涯に一度行くか行かないかの場所ですので、聞いたこともない方も多いかも知れません。

そこで今回は、公正証書について、基本となる知識をお伝えします。

公正証書とは

公正証書とは、公務員である公証人が、その権限に基づいて作成する公文書のことをいいます。

では、最初に、公証人はどういう人で、その作成する公文書にはどのようなものがあるのかについて確認しておきましょう。

公証人は、法務大臣から任命された法律の専門家で、中立・公正な立場から、国の公務である公証事務を担い、国民の権利保護と私的紛争の予防の実現を使命としています。

公証人の作成する公文書には、法律行為に関する公正証書(契約及び遺言、保証意思宣明等の単独行為)と、私権に関する事実についての公正証書(知的財産権の管理、貸金庫の開扉、尊厳死宣言等)があります。

以上を理解したうえで、公正証書を作成するメリットについて、2つの側面から考えてみます。

1つは、公正証書の機能面におけるメリット、もう1つは、公正証書の利用面におけるメリットです。

公正証書の機能面におけるメリット

公正証書には、機能面において、次のような2つのメリットがあります。一つずつ見ていきましょう。

1 紛争予防機能

公証人は、契約、遺言その他の法律行為に関する公正証書を作成し、また、自ら、目撃した状況や実験した事実に関する公正証書を作成します。

これらは、私人の権利義務関係について明確な証拠を残すものですので、紛争の発生を未然に防止する機能を有します。このような「紛争予防機能」が、公正証書の機能面におけるメリットです。

2 紛争解決機能

公正証書のうち、法定の要件を満たすものは、「執行証書」と呼ばれますが、給付を命じた確定判決と同じ執行力が認められます。

これは、紛争が起こってから訴えを提起して勝訴判決を獲得するのとは異なり、当事者間に紛争のない時期に、あらかじめ将来強制執行が必要となる場合に備えて、簡易な形で債務名義を準備するものですので、紛争を解決する機能を有します。

このような「紛争解決機能」が、公正証書の機能面におけるメリットです。

公正証書の利用面におけるメリット

公正証書には、利用面において、次のような4つのメリットがあります。一つずつ見ていきましょう。

1 証明力が高い

公正証書は、公正な第三者である公証人が、その権限に基づいて作成した公文書ですから、当事者の意思に基づいて作成されたものである、すなわち、文書の成立が真正であるという強い推定が働き、これを争う相手方が虚偽であるとの疑いを容れる反証をしない限り、この推定は破られません。公文書は、私人が作成した私文書に比べて証明力が高いというのが、公正証書の利用面におけるメリットです。

2 執行力がある

一定額の金銭を請求できる金銭債務の支払に関する公正証書は、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述(強制執行認諾文言)が記載されている場合には、債務者が契約等で定めた約束に違反して債務を履行しなかったときは、裁判所に訴えることなく執行力(直ちに強制執行をすることができる効力)を有します。

この執行力を有する公正証書を、特に「執行証書」といいます。このような執行力があるというのが、公正証書の利用面におけるメリットです。

3 紛失や改ざんなどのおそれがない

公正証書は、原本が必ず公証役場に保管されますので、その存在が明瞭で、紛失のおそれはなく、公正証書が破棄されたり、隠匿や偽造・変造の改ざんをされたりするおそれも全くありません。

このような紛失や改ざんなどのおそれがないというのが、公正証書の利用面におけるメリットです。

4 公正証書がないと効力が生じない場合がある

借地借家法23条の事業用定期借地権設定契約、「建物の区分所有等に関する法律」32条によるマンションの共用部分や敷地権に関する規約設定、任意後見契約など重要な法律行為については、法律上、公正証書で作成しなければ効力が生じないこととされています。

このような効力が生じない場合があるというのが、公正証書の利用面におけるメリットです。

まとめ

公正証書を作成するメリットについて、機能面と利用面の2つの側面から説明しましたが、おわかりいただけたでしょうか。

公正証書は、遺言をはじめ、金銭消費貸借契約、賃貸借契約、任意後見契約、離婚(養育費)等に広く利用されていますが、特に超高齢化社会では、遺言、任意後見契約、家族の信託契約、死後事務委任契約、尊厳死宣言等について公正証書の作成依頼が多くなっているといわれています。

公正証書の作成をご検討される場合には、行政書士などの専門家にご相談されることをおすすめします。

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